製紙各社、10年ぶり「新聞用紙値上げ」の覚悟

聖域についにメス、業績不振で「背水の陣」

新聞用紙最大手の日本製紙は今年1月、10年ぶりの新聞用紙の値上げを打ち出した(記者撮影)

デジタル化とペーパーレスが進み、業績不振にあえぐ製紙会社にとって、久々の福音となるのだろうか。

製紙各社は2018年から印刷・情報用紙や段ボール原紙などの値上げに動いている。紙の需要が減少している中での価格引き上げだけに、製紙会社は「背水の陣」の姿勢で臨んでいる。中でも、2008年以来、実に10年ぶりの値上げとなるのが新聞用紙だ。

新聞用紙事業は「窮地に立たされている」

「新聞用紙の事業が窮地に立たされていることを、広く知っていただくために、このようなお知らせを公表しました」

新聞用紙値上げラッシュの口火を切ったのは、新聞用紙最大手の日本製紙。1月31日付で「新聞用紙の価格改定について」と題するニュースリリースを発表した。今年4月から、一連(4ページ分の新聞用紙1000枚)あたり100円の値上げを行うとの内容だ。値上げ幅は10年前とほぼ同じ水準とみられる。2月中旬には同2位の王子製紙、3位の大王製紙もリリースを発表して追随した。

新聞用紙は、国内紙需要の約1割を占め、単一品種としては最大の存在だ。代理店や卸商が取引に介在する他の紙製品と異なり、新聞用紙は製紙会社が新聞社に直接納入する。相対取引であるため、ニュースリリースという形で公表する必要はそれほどない。それどころか、製紙各社は新聞用紙事業について、取引内容や供給先の新聞社、価格や事業損益を公表しないのが通例だった。

しかも、供給先である新聞社は報道機関でもある。それゆえ、腫れ物にさわるような特別な存在だった。それだけに、今回のようにニュースリリースで値上げを公表するのは異例のことだ。日本製紙も「初めてではないか」という。

次ページコスト上昇で新聞用紙も「聖域」外に
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