外国人には理解できない「無礼講」の時の距離感 無礼講の時に無礼で怒られるって何?

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もう1つのサプライズが、席順です。いわゆる上座下座ですね。お客様が部屋の奥、入り口に近いところには自社の役職の下の人が座る、などなど。中国や韓国などアジア圏では日本と同じような習慣がありますが、欧米ではあまり気にしない習慣です。

相手のVIPが入り口に近い席にストン、と座ってしまってホスト役の方が困ってしまう、ということもあるようです。会議室などはまだシンプルですが、和室での会食などになると、床の間があるとかないとか、相手もこちらもグルグル回ってなかなか席につかない(その間も座布団や畳のヘリを踏んではいけないのがマナー)のは、真剣なんですけど、外国人にはちょっとユーモラスにも映ります。

さらに聞くところによると、車に乗るときにもお客様を乗せる場所が決まっていると聞いて驚き、それを新人研修で勉強すると聞いてもう1回驚きました。

欧米人であれば、すべて握手で乗り切れる

欧米では、少なくとも僕の周囲では上記のすべてが「あまり考えなくてよい」です。

ただ、デビットが言っているから名刺交換やめましょう、席順を気にするのを外国の人に見られると恥ずかしい、と考える必要はないと思っています。必ずしもどちらかの文化にどちらかが合わせる必要はありません。違いがあるのはよいもので、そうした多様性(ダイバーシティー)が共存できることが今の時代のよさなのです。

その点であまり失敗がないのが、万国共通のビジネス上でのあいさつでもある「握手」ですね。相手の目を見てニッコリ、少し力を込めてグッと握ると、こちらのやる気、相手への積極的な気持ちが表現できていいかもしれません。名刺交換して握手はもちろんですが、会うたびに握手、別れ際に握手、とにかく握手、握手、握手で乗り切れます。

一方で握手を拒否するというのは論外ですが、時々「僕は風邪を引いているから」という理由で握手を辞退する場合があります。ミーティングが始まってせきや鼻水が出ている人を見て「あの人とさっき握手しちゃった、風邪がうつらないといいな」と思わせては申し訳ないですから、やはりスキンシップは最低限の衛生面として気を使う必要はあります。

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