放置しておくと危険、「タコと魚の目」の正体 転倒、ひざ痛、腰痛の原因になってしまう理由
魚の目とタコはいったい何か
「魚の目とタコは、圧迫や摩擦など外から力が加わることによる防御反応として、皮膚の角質層が異常に増えてしまう症状です」と、桑原先生。ダメージを受けている部分を守ろうとして、角質層が肥厚(ひこう)してしまう症状で、皮膚自体が原因で引き起こされる病気ではありません。
他人の目にふれる機会が少ないので外見からは分かりませんが、実は悩んでいる人はとても多くいます。
桑原先生が院長を務める「足のクリニック 表参道」で行なった「よくある足のトラブル」の調査(2013年4月~2016年9月、患者総数1万4100名)によると、女性は1位(20%)の外反母趾(がいはんぼし)に次ぐ2位(18%)が、男性は1位(22%)の足底腱膜炎(そくていけんまくえん。足裏の筋肉の炎症)に次ぐ2位(12%)が、この魚の目とタコだったそうです。
魚の目やタコは「大したことはない」と思われがちですが、足のアーチ構造の崩れやゆがみの結果として引き起こされるものです。ですから、そのまま放置していると、魚の目やタコがどんどん硬くなって歩きづらくなるばかりでなく、体の土台となる足のアーチや体のバランスがさらに崩れていきます。いずれは転倒したり、ひざ痛や腰痛を引き起こしたりする可能性も考えられます」と、桑原先生はいいます。
足のアーチ構造が多少崩れていても、若いときは股関節やひざ関節が柔らかく、腰やひざで体を支えてバランスを取ることもできるので、大きな問題にはなりません。子供にはほとんど魚の目やタコはできないそうです。
ですが、年を経るにつれて全身の関節は硬くなり、筋力も衰えて、そのような補正ができなくなります。そういった人の足のアーチが崩れてしまうと他で補うことができず、足のゆがみによる症状がそのまま足に現れ、魚の目やタコを発症することも多くなります。