放置しておくと危険、「タコと魚の目」の正体 転倒、ひざ痛、腰痛の原因になってしまう理由

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また、日本人の約7割に見られるとされる「回内(かいない)」という状態も、魚の目やタコの発症と関係しています。

「足の中心線は人さし指のラインですから、どうしても足の裏の面積は外側が大きく、内側が狭くなります。ということは、内側のほうが負荷に対して弱く、そもそも内側に傾きやすい構造になっているのです。実際、くるぶしの下にある距骨下(きょこつか)関節が内側に倒れてしまっている人が多く、この症状を『回内』といいます」と、桑原先生。

ひざ関節や股関節がまだ柔らかい若いうちは、各関節がこの回内を自然と補正してくれるので、足の痛みが出にくいですが、若い人であっても、回内をひざ関節や股関節でうまく補正できていない場合、その分、別の場所、例えば、足の親指の横などに負担がかかります。歩いたりして長時間その部分に力がかかり続けると、そこには必ずタコができてしまうのです。

最大の原因は足の骨格のゆがみ

魚の目やタコを引き起こす原因は、歩き方の他、合わない靴やヒールの高い靴を長時間履くことなどがありますが、「最も大きな原因は、足の骨格のゆがみです。足の骨格が崩れていると、足にさまざまなトラブルが出ることになります」(桑原先生)。

正常な足は、足首の付け根あたりからつま先(一般的に「甲」と呼ばれる部分)に向かう骨が緩やかなアーチを形成しています。これは、「足のアーチ構造」と呼ばれます。

このアーチ構造は、古代の石橋と同じく、アーチ状であるからこそ頑丈なもの。足は、一歩一歩踏み込むたびにかなりの衝撃がかかります。この衝撃を受け止め、足へのダメージを和らげているのが、このアーチです。甲の部分の縦横に適切なアーチが保たれ、足の骨が微妙にたわむことで、足は体の重みや歩くときの衝撃を吸収する仕組みになっているのです。

立ち方や歩き方に悪いクセがあったり、合わない靴を履いたりして、この足のアーチ構造にゆがみが生じ、形が崩れてくると、骨と骨の間のあちこちにすき間ができてしまい、体の重みや地面から受ける圧力を支えられなくなってしまいます。そして、そのすき間やひずみが大きいところの骨や関節、筋肉や腱などに力が集中し、足や指が変形したり、痛くなったりしてしまうのです。

例えば、足の親指が小指側に曲がる「外反母趾」、足の小指が親指側に曲がる「内反小趾(ないはんしょうし)」、足の指の関節がかくの字に曲がる「ハンマートゥ」、巻き爪などは、このアーチ構造が崩れたことによって引き起こされることが多い症状です。

足の骨や爪に異常があると、その痛い部分をかばって使わない代わりに、他の部分を使って歩くことになります。例えば、親指が痛いために小指の裏を使って歩いたり、股関節を開くように大股で歩いたり、クセのある不自然な歩き方をするうちに、さらに足に負担をかけたり、同じ箇所が靴に当たりやすくなったりして、魚の目やタコができやすくなります。

「足の骨格は、建物の基礎となる土台と同じですから、足の骨格構造がゆがんでいると、全身のバランスが不安定になります。ひざ痛や腰痛などに悩む人が、実は足が悪かった、という場合も多いのです」と、桑原先生。

足の骨格のゆがみの進行は、正しい靴の選び方や歩き方、インソール(中敷き)の活用、ストレッチなどである程度予防することができます。

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「毎日が発見ネット」編集部
「まいにちがはっけんねっと」へんしゅうぶ

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