「ノート」に「セレナ」、雪上でみた日産車の実力 電動駆動車は雪道で性能をどう発揮するのか

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「リーフ」は雪道で運転しても扱いづらさはなかった(撮影:日産自動車)

カリキュラムは一般道試乗からスタート。最初にステアリングを握ったのは「ノート e-POWER NISMO S」。こちらはノート e-POWER(FF)をベースに、駆動力を生み出すモーターの最高出力(109PS→136PS/定格出力はノート e-POWERと同一の95PS)と、最大トルク(25.9kgf・m→32.6kgf・m)を向上させつつ、ボディにも補強を加え、さらにサスペンションではスプリングのバネレートとダンパーの減衰力を高めた。わかりやすく説明すれば、標準モデルのノート e-POWERからモーターパワーを上げて加速力を増加させつつ、足回りを引き締めてコーナリングスピードを稼ぎ出すノートe-POWERのスポーツモデルだ。

よって「滑りやすい路面の雪道ではそのパワー持て余してしまうのでは……」とのイメージが先に立つが、公道を試乗してみるとまったくそうした扱いづらさはなかった。その理由は駆動モーターの緻密なトルク制御にある。

滑りやすい路面ほど有効に機能する

日産の技術者によると、「駆動モーターは10,000分の1秒単位で発生トルクを電子制御していますが、この緻密な制御は雪道や凍結路面など滑りやすい路面になるほど有効に機能します」という。

今回の試乗では、後述するエクストレイル(内燃機関駆動車)でも同じルートを走行したが、確かにe-POWERは内燃機関駆動車と比べてアクセルペダルの操作に気を遣うシーンが少ない。

さらに技術者は、「駆動輪が滑りはじめた際にタイヤのスリップを抑えるトラクションコントロールも電子制御で行っているため、“タイヤを極力滑らせない”という統合制御が実現し、結果として滑りやすい路面でもスムーズな発進や加速が行えます」という。

こちらも発進加速時にその効果をハッキリ体感。登り坂の途中に設置されていた信号機からの発進では、スリップ検知→トラクションコントロール介入→駆動力回復という一連のプロセスからくるタイムロスを内燃機関駆動車と比較すると、筆者の感覚ではe-POWERのそれは1/3以下という印象を持った。

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