Jリーグ最年少社長が立ち向かうJ3、新たな挑戦 働きながらプレーするJリーガーも数多い
そんな中、宮市剛選手は昨シーズン終了後に初めて契約満了を言い渡された。
「シーズンを通して、怪我もなくコンスタントに試合に出れたので、まだやれるという気持ちが強かったです。
自分はやれると信じられる気持ちは残っているし、その気持ちを持っている以上は選手として続けたい。兄はサッカーでいろいろな経験をしていて尊敬しているし、話を聞くと刺激も受けるので、目標としたいと思っています」
余りある自由な時間をどう活用していくかが重要だ。会社員経験がある者からしたら喉から手が出るほど欲しい時間だが、サッカーの世界しか知らないと恵まれているかどうかもわからない。
筆者はいろいろなサッカーチームを取材してきたが、試合翌日の練習はリカバリーに充てられ、強度が低い練習を短く行うケースが多い。こういった日に練習の一環としてパソコン講座やスピーチの練習などセカンドキャリアに活きる研修を取り入れたらいいと感じた。
「それはいいアイデアですね。パソコンや英会話に興味のある選手は多いので、そのようなきっかけを与えていくことが大事だと思います。リラックスしてネットをやっている時間があったら10分でも20分でもそのパソコンを練習をするとか、英会話がしたいならオンライン英会話をやるなど、学ぶ方法がさまざまあることを知ってもらいたいです。
強いて言えばグルージャの選手には“人生の勝ち組”になってほしい。育った選手たちが将来、いろいろな形でクラブに恩返しのような形で戻ってきてくれたら岩手にとって凄くいいことですし、Jリーグにとっても新しい世界になります」と宮野社長も話す。
損保出身の最年少社長が地元をどこまで変えられるか
「大手企業でサラリーマンとして働いてきて、サッカーもやってきた人間が地元に戻って社長になるケースは私が初かもしれませんね。サラリーマン経験がある人でスポーツビジネスにも興味のある人が、間接的ではなく、クラブに実際に入ってとことんクラブ運営に関わってもらいたいです。
そのロールモデルになるためにも私は失敗できません。地道に1つずつやって、足腰がしっかりしたクラブを作りたい。少しずつ期待してほしいです。2年後、3年後に注目してもらえたらという気持ちで進めていきます」
2018年シーズンのグルージャはJ3の17チーム中13位。今シーズンは3月10日に開幕する。
クラブとしてJ3優勝からJ2、ひいてはJ1にステップアップする夢を目指して、岩手のスポーツ振興にどこまで貢献できるのか。宮野社長の挑戦はまだ始まったばかりだ。
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