レクサス、「月19万円で借り放題」はお得なのか 国内メーカー初の定額利用サービスを開始
「若い人、初めてクルマを買う客からは(キントワンの料金は)結構割安に見えるのでは。車離れを何とかしたいというトヨタの思いを込めている」(小寺社長)
仮にプリウスの売れ筋グレードA(2WD)を3年間、個人向けリースで借りた場合は、住友三井オートサービスでは月額約7万2000円(税金、諸費用、メンテナンス、カーナビなどオプション3点込み。夏タイヤのみ。年間走行距離1万2000km)。これに任意保険料を払う必要がある。トヨタのサブスクリプションはグレードやオプションの種類に応じて月額料金は異なるが、プリウスは約5万~6万円。この金額に任意保険料が含まれていることを考慮すると、リースと比べて確かに割安感がありそうだ。
一方のレクサスブランドはどうか。選択できる車種はいずれもハイブリッド車のセダン「ES300h」やSUV「UX250h」などで、3年の利用料総額は約700万円になる。6車種の中で一番高い「RX450h」(604万7000円~)を新車で購入できてしまう計算だ。新車で買ったレクサスを3年後に売却することも考えれば、利用料に任意保険料や自動車税が含まれているとはいえ、コストはいかにも高い。
顧客層は会社経営者や弁護士
KINTOの小寺社長は「もともと、現金販売やローンとの比較で得か損かで設定したわけではない」と断った上で、「18万円(税抜き)が高いか安いかはわれわれにもわからないところがある。こわごわやっている」と本音をのぞかせた。顧客のターゲットは、「レクサスや輸入車を結構早い期間で乗り換える方」としており、会社経営者や弁護士などの富裕層が対象と見られる。
自動車のサブスクリプションは海外が先行しているが、必ずしも順調というわけではない。アメリカのゼネラル・モーターズ(GM)は2017年から高級車ブランド「キャデラック」の複数の車種を月間1800ドルで乗り換えられるサービスを試験的に始めたが、2018年後半からサービスを一時休止している。現地メディアによれば、運営コストや車種の見直しを進めているという。
2月6日のサービス開始から1週間でキントセレクトは契約を数件獲得したという。「レクサスユーザーや輸入車ユーザーもいる。大変ほっとしている」(小寺社長)。レクサスブランドは2018年に国内では過去最高の5万5000台余りを販売。新型SUVの投入などラインナップの拡充が功を奏し、この1年で1万台近く販売が伸びた。
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