「ぶら下がりシニア」が社内で生き残る方法 若手社員に嫌われない4つの「働き方改革」

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また、年上部下の場合、大切なことは、人生の先輩として敬意を持って接することです。挨拶や敬語など、ていねいな対応で接するのが基本です。さらに、相手を立てることも心がけましょう。何が得意なのかを把握しておき、時には相談したり、意見を求めたりするとよいでしょう。日頃からこうした姿勢で接していれば、いざというときに助けてもらえるような、良好な関係を築くことができるはずです。

若手から嫌われないようにする

役職定年になると、職場の同僚が若手になるケースも多いでしょう。だからといって、先輩ヅラをするのは、若手社員にとって気持ちのいいものではありません。相手が年下であっても、名前は「さん」付けで呼び、対等な関係を築くようにしましょう。

また、仕事を選り好みしてはいけません。面倒だったり、苦手な仕事だからといって若手に押しつけたりせず、積極的にチャレンジすべきです。ITのことなど、わからないことがあれば、若手に聞けばいいのです。また、もし、若手がクレーム対応などで困っているようであれば、手助けをしましょう。そうすれば、逆に自分が困ったときにはきっと助けてもらえます。

若手はシニアと仕事をしていて困ることとして、「過去の経験に固執する」「柔軟性に欠ける」「自分で書類づくりや事務作業をやらない」「言うだけで行動しない」「押しつけがましく高圧的」、さらには「清潔感に欠ける」などを挙げています(財団法人企業活力研究所「シニア人材の新たな活躍に関する調査研究報告書」2012年3月)。

さらに、注意したいことの1つが話の長さです。若手からは「○○さんはいつも話が長いな」と思われていても、面と向かって指摘されることはなかなかありません。相手の反応をつねに気遣うように心がけ、自分で意識して話が長くならないようにしたいものです。

また過去の手柄話にも注意しましょう。「昔はこうだった」「若い頃はああだった」と、昔の話を持ち出して自慢や説教をしても、若手には「今とは時代が違う」と受け止められるだけです。過去の話をするなら、むしろ失敗談にするべきです。そのほうが共感を持って受け入れられますし、その失敗をどう乗り越えたのかという話は、若手にとって生きた教訓になります。

基本的に、何事にも前向きで明るい人はだれからも好かれます。頼まれた仕事は何でも引き受けて選り好みせず、新しいことにも挑戦する。若手と仕事で張り合うよりも、むしろ若手がやりたがらない、手が回らないような仕事こそ率先してやるべきでしょう。

謙虚さも、好かれる要素の1つです。

日頃の若手の言動に対して、つい何か言いたくなってしまうものですが、その気持ちをぐっと抑えて、「聞かれたら答える」くらいの心持ちでいることが大切です。

もし何か問題が起きて、若手が困っている様子に気づいたときは、何に困っているのかを聞いたうえで、豊富な経験を生かして積極的に手助けをする。心がけるべきは「若手のサポート役」の意識、サーバント・リーダーシップです。

周囲の人たちによい影響を与え、職場にいてほしいと思われるようなよい評判を得ることが、転職や独立・起業してもやっていける人脈づくりにもつながります。

徳岡 晃一郎 ライフシフトCEO

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とくおか こういちろう / Koichiro Tokuoka

多摩大学大学院教授、研究科長、多摩大学社会的投資研究所所長。フライシュマン・ヒラード・ジャパン シニア・ヴァイス・プレジデント。知識リーダーシップ綜合研究所所長。株式会社ヒューマン・フューチャー会長。

1957年生まれ。東京大学教養学部卒業。オックスフォード大学経営学修士。日産自動車人事部、欧州日産を経て、1999年フライシュマン・ヒラード・ジャパンに入社。レピュテーション・マネジメント、人事および社内コミュニケーションなどに関するコンサルティングに従事。2014年より多摩大学大学院研究科長。2017年6月株式会社ライフシフト設立、CEOに就任。人生100年時代の「ライフシフト」を啓蒙、支援する研修、人事コンサルティング、風土づくりなどを行っている。『シャドーワーク』『MBB:「思い」のマネジメント』(いずれも共著、東洋経済新報社)、『未来を構想し、現実を変えていく イノベーターシップ』(東洋経済新報社)、『人事異動』(新潮社)、『"本気”の集団をつくる チーム・コーチングの技術』『ミドルの対話型勉強法』(ともにダイヤモンド社)、『人工知能×ビッグデータが「人事」を変える』(共著、朝日新聞出版)、『しがらみ経営』(共著、日本経済新聞出版社)など著書多数。

株式会社ライフシフト

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