「結婚式の常識」から外れるイマドキの式事情 しきたりから合理性を重要視する動きもある
最近の結婚式(「ありのまま婚」)には、従来の決め事、いわゆる「結婚式の常識」を外れる事例も出始めています。いくつか紹介していきます。ポイントは3つです。
まず1つ目が「瞬間消費から永続消費へ」です。
結婚式アイテムをその日限りにしないことを重視し、結婚式で使ったブーケなどの花を押し花にしたり、アーティフィシャルフラワー(造花)を使用したりするなど式後も使えるようにする事例も見かけます。実際、技術の進化によりドライ加工でも生花と劣らないものも増えており、環境への配慮にも繋がります。
親へ渡すギフトも定番は花束ですが、せっかくならずっと使ってもらえるものがいいと、手作りの茶碗など日常生活で使えるモノを贈る人も増えています。引き出物を入れる袋についても、使い捨ての紙袋ではなく、オリジナルのトートバッグにしてずっと使ってもらえるものにしたいと考える人もいます。
しきたり重視から合理性重視へ
2つ目は「オーディエンスからキャストへ」です。ゲストが主要な演出に参加する例も増えています。例えば、友人が司会役や牧師役を行ったり、パーティーの食事をその場でゲストと一緒に料理したりします。
この他、ケーキにデコレーションをしたり、お肉を焼いてその場で食べたりします。また演出が減り歓談時間が多い最近の結婚式/披露パーティーだからこそ、全体の流れを事前に「タイムライン」という形で知らせ、安心して自由な時間を楽しめる工夫をしている方も見かけます。
最後は「しきたり重視から合理性重視へ」です。ITの進歩に伴い、合理性を追求し、ご祝儀についても事前にネット上で決済する人や電子招待状も出始めました。かつては重ければ重いほどよしとされていた引き出物も宅配にし、席札カードでその旨を伝える方もいます。
また、メルカリなどシェアリングエコノミービジネスの普及に伴い、シューズや花嫁下着、アクセサリー類など結婚式を終えた花嫁から、これから式を挙げるプレ花嫁へアイテムのお譲りも始まっています。
結婚式/披露パーティーは自由に設計できる部分も多く、その時代の気分や個人の価値観の変化に伴い、少しずつ変化してきています。
特に最近は、価値観の多様化とそれを受け入れる周囲の許容が進んだこともあり、内容のバリエーションが広がってきています(もちろん今までの格式を重んじた結婚式/披露パーティーを選ばれる方も多数いらっしゃいます)。
結婚式/披露パーティーを通じて「2人が愛を誓い、ゲストに感謝を伝え、ゲストから祝福を受ける」という方法のバリエーションが増えているとも言えます。結婚・結婚式を行う機会は、ずっと残り続ける特別な時間。2人にとってベストな方法を探せる時代になってきているのです。
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