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還元バブルで「モバイル決済」は過当競争に 「将来は半減となりかねない」これだけの理由

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  • 大槻 奈那 ピクテ・ジャパン シニア・フェロー、名古屋商科大学大学院 教授
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決済サービスには「ネットワーク外部性」が働く。つまり、利用者数が多いほど、価値が高まる。個人決済はまさにネットワーク外部性が重要になる。

晴れてデファクトスタンダードとなれば、個人の詳細な行動データが獲得できる。小口決済データは個人の日々の生活をかなり詳細に映し出す。中国のアリペイは、個人の信用力スコアを金融商品から婚活サイトまでの幅広いサービスに活用している。先日、ウィーチャットペイを運営するテンセントも同様のスコアリングを開始すると報じられた。

日本でも、行動データが独占的に取得できれば、これまでの消費者金融とは別次元の精緻な信用力分析が可能になる。そうなれば、たとえば年率10%前後のローンを極めて低い貸倒率で実行できるかもしれない。

しかし、デファクト獲得の道は険しくなっている。従来のクレジットカードや電子マネーの場合、選択する際の尺度として、使える加盟店の数や保有することのステータスなどがあった。しかし、モバイル決済の場合、見せびらかしはできない。アプリを設定しても持ち運びの負担は増えないため、とりあえず多くの決済手段をアップしておいて、その時々で有利なものを選んで使えばいいため、加盟店の数もそこまでの差別化にはならない。

このため、決済アプリは、ポイントなどの特典が最大の焦点になりつつある。

参入せざるを得ない銀行

そんな中、メガバンクも動きだした。昨年11月、銀行連合が統一QRコードによるスマホ決済の開発を発表した。それとは別に、みずほフィナンシャルグループは地銀に対し、自社開発の電子マネー・Jコインへの参加を呼びかけている。

現在メガ各行は、内国為替、つまり、ATMや送金手数料等で、年間千億円以上の収益を上げている。決済アプリを手がければ、こうした自行の既存サービスとカニバリゼーションを起こしかねない。それでも他社に取られて行くよりはマシだ。さらに、一部の報道にあったように、将来的には電子マネーでの給与の支払いまで認められるかもしれない。これが実現すれば、日本の小口決済は、世界にも例をみない"銀行はずし"のシステムとなる。ここで出遅れるわけにはいかない。

しかし問題は、後発組の銀行連合の決済システムを使ってもらえるかどうかである。自分の給与口座から直接資金を移動できるので便利にみえるし、加盟店手数料を安価に設定するとも伝えられているが、それだけでは個人を引きつけるお得感はない。

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【問題はスイッチングコストの低さ】

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