還元バブルで「モバイル決済」は過当競争に

「将来は半減となりかねない」これだけの理由

コンビニはこれだけのキャッシュレス決済に対応している(撮影:梅谷秀司)

東京のコンビニのレジにはいまや40種類ものキャッシュレス決済手段が並ぶ。さらに、1月22日、メルカリが子会社「メルペイ」に売上金を移管すると発表し、キャッシュレス決済の布石ではないか、と話題になっている。これ以外にも、今年中に5種類以上がスタートする予定だ。とりわけ利用者が増加しているのがモバイル決済。市場調査のICT総研は、2021年度末には2018年度末の2倍以上の1953万人がモバイル決済を利用するようになると予想している。

この連載の過去記事はこちら

モバイル決済の伸びは足元でさらに加速している模様だ。火をつけたのが、昨年12月のソフトバンクとヤフーのペイペイによる「100億円あげちゃうキャンペーン」だった。仮に1口座当たりの利用額が1~2万円とすると、この間に200〜400万のアカウントが開設された計算である。新生銀行や住信SBIなどのリテール口座数が300万程度。ペイペイはわずか10日でこれらに匹敵する顧客を集めたことになる。

モバイル決済自体は特に新しいわけではない。すでに2016年にOrigami PayがQRコードによるモバイル決済をスタートしている。一部の店舗で2%の直接割引がその場で受けられることなどが売りだった。

しかし当初のモバイル決済の普及は緩やかだった。日本では現金の信頼性や利便性が高すぎる。それを犠牲にしキャッシュレス決済に向かわせるには、限られた場所で受けられる2%の特典では不十分だったようだ。ところが、同じく利用場所が限られたペイペイは、20%という桁違いの還元キャンペーンで一気に顧客を引き寄せた。

ここまできた還元合戦

ペイペイを運営するソフトバンクは、2000年代初頭のモデム無料配布でトップシェアに躍り出た成功体験を持つ。しかし、今回はペイペイの独走は許されなかった。ペイペイがシステムトラブルでミソをつけてしまったのち、LINEPayも12月後半に20%還元キャンペーンに追随したからだ。

20%という大胆なキャンペーンが終わった今でも、たとえば、LINEpayは、今年7月まで3.5~5%という高い還元率に設定している。楽天Payなどは、それだけでは還元率は高くないが、高還元バーチャルカードのKyash(還元率2%)と組み合わせて使えば、3%以上の還元率もありうる。今年も新たに5種類以上のモバイル決済が開始される。利用者が大盤振る舞いに慣れてしまった今、新規参入組も、恐らく還元合戦に参画せざるを得ないだろう。

次ページ続々登場するモバイル決済一覧
マーケットの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 若者のための経済学
  • 最新の週刊東洋経済
  • 晩婚さんいらっしゃい!
  • 仲人はミタ-婚活現場からのリアルボイス-
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
-

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

ログインしてコメントを書く(400文字以内)
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
日産・西川社長辞任の衝撃<br>ルノーとの対立が再燃も

株価連動型報酬を不正に上乗せして受け取っていた西川社長が辞任を発表した。対ルノーの防波堤だった同氏の退場は、日産の独立性を揺るがしかねない。ゴーン時代の有力な後継者候補が去り人材難の日産。次期社長の人選が将来を決める。