ホンダ「スーパーカブC125」乗ればわかる進化

シリーズ60周年を超えたロングセラーモデル

すなわち、現代の交通環境に合致すべく、しっかりとした加速と安定したブレーキング性能と、オーバードライブ気味に設定されたミッションレシオにトルクフルなエンジンキャラクターを、この伝統のデザインの中に継承したと言える。秀逸なのは、自慢のオートマチックミッションだ。ハンドル左手にクラッチレバーを持たないこのシステムは、創業者・本田宗一郎氏の「役に立つ物を」という思いの1つだろう。

日常で業務として使われるバイクの煩わしさとも言えるクラッチ操作をなくし、左手に自由を与えたことで新聞配達や郵便配達を初めとする多くの人々の仕事効率化を図ったことだ。そのミッションのシフトフィーリングが今回も更なる作り込みで振動・ショックなどが軽減されたうえに、少しバイクに慣れ親しんだライダーであれば、オートマチックながら半クラッチやシフトダウン時のブリッピング操作まで可能だ。

もちろん、このシステムは今に始まったものではないが、今回改めて完成度の高さに驚かされた。

今回採用された充実の装備

さらに、今回採用されたテレスコピックタイプのフロントフォークとカブの歴史上初採用のフロントディスクブレーキも充実の装備と言える。フロントフォークのストロークは100mm、リヤサスペンションは84mmと従来の110ccモデルからストロークアップされた足回りは、縮み側ダンパを控え目にし路面追従性を向上していることがわかる。

100mmストロークだが、実際のところ筆者が乗車した時点でおおよそ50%近く沈み込みを取っており、むしろリバウンドストロークを多めに取ることでの先に述べた路面追従性に貢献していると言える。初採用されたフロントディスクの制動は、予測がつきやすく目標制動という意味ではカブ史上最高の出来と言える。合わせてフロントサスペンションのフルストローク付近での粘るような安定性は、むしろブレーキングの楽しさまで演出しているようだ。

信号待ちからの加速時も、もたつくことなくスムーズに発進できたC125と筆者(撮影:尾形文繁)

同様に、リヤサスペンションもバネレートと減衰のバランスの取れた、コシのあるストロークフィーリングで、外乱からの影響があっても大きなピッチングが出ることもなく好感が持てた。

この辺りのハンドリングの味付けは、60年の歴史と延べ160カ国への輸出で培われた上級機種に負けることのない納得のハンドリングだ。

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