発達障害の人が身につけるべき「世渡り発想」 自分の特性をもっと把握して付き合おう

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空気が読めないというのは、裏を返せば、人から何を言われても動じないということでもあります。それは、自分の考えをもっていてブレないという長所でもあるわけです。そして、自分を強くもっている人は、大勢とそつなくつき合うことは苦手かもしれませんが、気の合う少数の仲間とは、うまくやっていけることがあります。

「空気が読めない」人の環境調整

一般の人は休みの日にやることがないと、友人たちに声をかけ、誰かと一緒にどこかへ行こうとするようなところがあります。しかし対人関係が苦手という特性がある人は、そんなふうに人に頼らなくても、自分の好きなことをして、1日を楽しく過ごせます。

また、このタイプの人は会話をするとき、相手との関係作りよりも話の内容そのものを重視します。相手の反応をみて話を調整したりせず、大事なことはそのまま伝えようとします。そういうところを「空気が読めない」と言われるわけですが、そうして愛想やお世辞でごまかさず、きちんと内容のある話ができるということも、長所の1つと言ってもいいのではないでしょうか。

ですから、環境調整や世渡り術を考えるときには、その「ブレない強さや内容重視の考え方を生かすこと」、そして「無理に誰とでも付き合おうとするのではなく、少数の仲間と交流すること」を心がけていただければと思います。

主張がはっきりしているという点では、人に意見を強く言いすぎてしまうことがあります。それによる摩擦や衝突を防ぐため、あらかじめ周囲に「自分は主張が強いので、言いすぎだと感じたら教えてください」と伝えておくのもよいでしょう。そうすれば、より安心して発言できるようになります。

注意欠如・多動性の特性がある人の環境調整

この特性がある人は気が散りやすく、また、時間がないときにもさまざまな活動に手を出してしまうため、結果として時間にルーズになりがちです。そのままではいろいろと困るので、この点にも環境調整を行いましょう。

ただし、時間にルーズなところを解消しようとしても、そう簡単にはいきません。このタイプの人に「前もって行動しよう」「ものごとはコツコツ進めよう」と言っても、それは難しいでしょう。思い立ったら行動したい人たちなので、あらかじめ決めた計画どおりに活動するのは苦手です。

このタイプの人は、待ち合わせに5分前に行くようにすると、その5分間じっとしているのもつまらないと思い、付近の店に入ったりして、結局遅刻して集合場所に現れるということがあります。

そういう部分を直そうとするよりも、発想を変えて「多少時間にルーズでも、最後には帳尻を合わせる」という方向で生活を整えていったほうが、うまくいきます。前もって行動するのではなく「ギリギリセーフをOKとする」、コツコツ進めるのではなく「一発勝負で結果を出す」というのが、このタイプの人には合っています。

また、そういうスタイルでも周りの人を困らせないように、「自分はどうしても少しルーズになってしまうところがある」ということを周囲に伝え、あらかじめ理解を得るようにすることも世渡り術として大切です。

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