40~60代が感じる「介護・終末期」への不安 早めに考えて、準備しておくことが重要だ
ところで、介護を受ける場所としては自宅のほかにいろいろな施設がありますが、そもそもどういう場所での介護を希望しているのでしょうか。40~64歳の男女に、自分に介護が必要となった場合、どこで介護を受けたいかをたずねました。
男性では「自宅」の割合が4割強~5割強と最も高く、次に「介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)」が2割弱~3割弱、「サービス付き高齢者向け住宅」が約1割と続きます。 女性も上位3項目は男性と同様ですが、最も割合が高い「自宅」は3割弱~4割弱にとどまります。一方で、「介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)」は2割強~3割弱、「サービス付き高齢者向け住宅」は2割弱と、男性に比べて高い傾向にあります。
自分の終末期をどこで迎えたいか
それでは自分が終末期を迎えたい場所についてはどうでしょうか。厚生労働省の「平成29(2017)年 人口動態統計」によると、実際に終末期を迎えている場所として、医療機関(「病院」+「診療所」)が74.8%を占めていました。
当研究所の調査で、40~64歳の男女に自分の終末期をどこで迎えたいかをたずねたところ、男女ともに「自宅」を希望する人の割合が最も高くなっています。男女別では、男性は6割弱~7割弱に対し女性は約5割と、男性のほうが「自宅」で終末期を迎えたいと望んでいることがわかります。
特に男女ともに「介護が必要な親がいない(いなかった)ため、介護した経験はない」人のほうが、介護の必要な親がいる場合よりも「自宅」を希望する割合が高くなっており、これは介護の必要な親がいないために自宅で終末期を迎える際の家族・親族などの負担が想像しにくいからではないでしょうか。
次に割合が高いのは男女ともに「医療機関」で、「介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)」「サービス付き高齢者向け住宅」と続きます。