就活生が抱く「漠然とした不安」の意外な正体 内定辞退の「取り消し」はアリかナシか

✎ 1〜 ✎ 182 ✎ 183 ✎ 184 ✎ 最新
拡大
縮小

であれば、心のモヤモヤを解消するべく、思い切って電話してしまうのも手でしょう。まだ学生なのですから、常識とは異なるからと躊躇する必要はありません。

自分の中で心の整理をするには、行動を起こして自分にとっての現実を一つひとつ確実化していくしかないのです。

怒られるのか、優しくアドバイスされるかはわかりません。

しかしその会話の結果として、はな子さんは「自分の行動がどう捉えられるか」、という1つの学びを得ることでしょう。

そしてその結果として大人に一歩近づけるのだと思います。

人生は選択の連続

その先の人生は選択の連続です。私たちは、今まで私たちが積み重ねてきた人生における選択の結果として皆今ここにいるのです。

であれば、よりよい選択をするにはどうすればよいかという学びを早いうちに学んでおくのが、よい人生を生きる近道というものでしょう。

大丈夫です。電話した結果がどうであったとしても、そしてどちらの会社を選んだとしても、この先の長いはな子さんの人生の中の1つの小さなイベントでしかありません。

選択よりも大事なことは、人生における選択の結果から何を学んで、次の選択に生かせるか否かです。

1つの選択で人生が決まるのではありません。人生とは選択=意思決定、行動、学び、意思決定、行動、学び、の連続です。少しずつ学んで、よい意思決定と行動をしていく軌道修正ができるか否かが勝負なのです。

そう考えると今回の意思決定で失うものはそう大きくはないですよね。

であれば漠然とした不安の解消に向けて行動=電話、して早く気持ちの整理をつけてしまいましょう。

「あのときああすれば」という自分に対する言い訳を断ち切って、自分の選択を信じて前に進むためには、行動が必要です。

はな子さんが、今回の件を通じてよりよい選択をできる目を養われるであろうことを応援しております。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT