「反中ワシントンコンセンサス」が猛威振るう

アメリカの「中国封じ込め」、日本はどうする?

新旧覇権国の間で戦争に至る確率が高いとする「トゥキディデスの罠」の概念を提唱したハーバード大学グラハム・アリソン教授は、今日、「中国に対し、新たなワシントンコンセンサスが形成されている」と語る。そのコンセンサスとは、中国が近代化によって自由化、民主化したうえでアメリカ主導の世界的枠組みに参画するといった、従来の考えは甘かったとの認識が、アメリカ政府やシンクタンクなどワシントンの有識者の間で広まっていることだという。

世界経済においてGDP(国内総生産)規模ではアメリカが首位を維持しているものの、中国は2001年に6位であったのが、今日、2位まで追い上げている。中国の存在が「世界の工場」に限られた段階では、欧米企業にとっては都合がよく、拡大する中国国内市場への参入を望むアメリカ産業界も関与政策を支持してきた。

だが、今日、中国企業は世界進出して欧米企業と競合するようになり、一部産業ではすでに世界市場をリードしている。中国は「世界の本社」に変貌を遂げつつあるのだ。こうした背景から、今や米中関係がこれまでと大きく異なるのは、従来、中国に対する関与政策を支持していたアメリカ産業界も反旗を翻したことだ。

異なるルールの下での米中覇権争い

「片方はサッカーのワールドカップ勝者、もう片方はアメフトのスーパーボウル勝者」

ティモシー・ストラットフォード元米通商代表部(USTR)代表補は、2018年9月に中国・天津で開催された夏季ダボス会議において、このように語った。米中貿易摩擦をスポーツの試合に例え、米中両国はいずれもフットボール(イギリス英語ではサッカー、アメリカ英語ではアメフト)の試合を戦いに来たものの、異なるルールで戦っているとした。ここでは、中国は各種規制といったプロテクターで保護され、政府主導で計画的に動くことから、スーパーボウルの勝者に例えられている。

中国企業と欧米企業が競合するようになった今日、中国の異なるルールは欧米企業にとって不公平であるとの見方がアメリカ産業界でも広まっている。中国経済特有の国家資本主義に関わる貿易投資問題は、WTOなど既存の世界のルール・枠組みでは解決できず限界にあることが、浮き彫りになってきている。2017年3月の指名承認公聴会でロバート・ライトハイザーUSTR代表は米議会に対し、「中国のような国そして産業政策に有効的に機能するように、WTOは設立されていない」と語った。

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