「反中ワシントンコンセンサス」が猛威振るう

アメリカの「中国封じ込め」、日本はどうする?

「対中強硬マン」の面々。左からウィルバー・ロス商務長官、USTRのライトハイザー長官。1人置いて右端がピーター・ナバロ 大統領補佐官(写真:REUTERS/Jonathan Ernst)

トランプ大統領は自らを「関税マン(タリフマン)」と称し、2019年3月1日交渉期限までに中国の譲歩を得られなければ、アメリカは同日深夜(2日0時1分)に前述の301条に基づく対中追加関税第3弾について、現行の10%から25%に引き上げる予定だ。

その一方で、トランプ大統領は側近に昨今の株価の急落について自らの対中政策の影響があるのかどうか尋ねているとの報道もある。支持率が伸び悩む中、大統領は自らの成果の指標として株価をアピールしてきただけに、株価動向の影響を懸念する「株価マン」が「関税マン」に勝り、アメリカは中国に譲歩する可能性もある。

だが、大統領を囲む通商政策幹部には、対中交渉を担うライトハイザーUSTR代表のほか、ピーター・ナバロ通商製造業政策局長など、中国の封じ込め政策を推進する「対中強硬マン」が多々いる。3月1日の交渉期限前に「関税マン」「株価マン」「対中強硬マン」のどれが勝るかで短期的な米中関係が左右される。

中国はアメリカの要求をのめない

2000年にトランプ氏が執筆した書籍『我々にふさわしいアメリカ』で、同氏は「自らが大統領に当選した場合、自らをUSTR代表に指名する」と述べ、「日本、フランス、ドイツと個人的に交渉する。彼ら貿易相手はテーブルを挟んでドナルド・トランプの真向かいに座り、アメリカを略奪する行為をやめることを保証する」と語っていた。

今日、トランプ大統領は通商交渉に深く関与し、実質、アメリカの首席交渉官となっており、2000年の書籍の執筆内容が現実のものとなっている。したがって、中国を封じ込めるという政権の通商幹部が推進する中長期的な通商政策を、大統領が後押しするかどうかは不透明だ。

だが、中国がアメリカと同じルールに変えたとしても、直面するのはルールを徹底させることは困難だということだ。アメリカの政府関係筋によると、アメリカが中国に提示した要望(中国はアメリカの要望を142項目に分割)のうち、中国は3分の2の項目は対応可能だが、残り3分の1は対応不可能と捉えているという。中国が経済発展し、中国共産党が1党独裁を維持していくうえで、引き続きハイテク産業をはじめとした次世代産業の育成のためにルール施行における例外措置は欠かせない。

「対中ワシントンコンセンサス」が急速に形成されつつある中、米中覇権争いの一端である貿易摩擦の長期化は必至だ。

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