「勝負に強い人」が心得ている3つのこと 心を整えるにはどうしたらいいか
また、最近ではテニスの大坂なおみ選手が全米オープンで優勝し、日本人初の四大大会制覇をしましたが、今大会で目を見張るのは、メンタル面での成長です。以前はミスがあるといら立ち、ラケットをたたきつけることもありましたが、"小さなガッツポーズ"を入れて冷静に1球1球に集中して根気よくプレーしていました。
「ルーティン」というのは、心を整えるために行う一連の動作のことを言います。高校野球では、試合前に円陣を組んで皆で人差し指を上げる動作を行うチームが増えてきました。こうして試合に向けて気持ちを高めているのです。バッターボックスでも思い思いの動作を使って、気持ちをつくる選手が多いですね。
私は講演会前などに、待機をしているときには、まず、目を閉じてゆっくり深呼吸して気持ちを落ち着かせてから、小さく両手でガッツポーズを行って気持ちのスイッチを入れ
ています。
ゲン担ぎとルーティンは違う
ルーティンとよく似たもので、「ゲン担ぎ」がありますが、それには少し注意が必要です。以前、あるメジャーリーガーが、試合当日に腕につける時計があるという話をしていました。この時計を"ルーティン"にしているというのです。これはルーティンではなくて"ゲン担ぎ"です。
この時計をつけていったときによい結果が出たから、次もこの時計をつける。何かをしたらよい結果になったからそのことを続けているということですね。
この場合、いい結果が出ているときはいいのですが、それが続くとは限りません。そうなると、もしいい結果が出せなくなってきたときに、違う時計をするということになります。そして、それでも思ったような結果が出ないときはどうなるのでしょうか。この時計をしても、違う時計をしてもダメなのか。じゃあ、次はどうしようか……などとゲン担ぎに心がとらわれてしまいます。
さらに結果のことばかりを気にしながらゲン担ぎをしていると、ストレスを溜める結果になってしまい、しまいにはパフォーマンスが落ちて、結果が出せなくなることもあります。そしてまた結果を出さなきゃいけない、パフォーマンスを向上させなきゃいけない、そうして無理矢理にでもポジティブになろうとして苦しくなる。という悪循環が生まれることがあります。
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