「勝負に強い人」が心得ている3つのこと 心を整えるにはどうしたらいいか

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大事なことは、心の状態を整えることです。ルーティンは心を整えるために行うものです。自分だけのルーティンを決めて、「よし、ここで勝負だ!」というときに行ってみましょう!

② 最悪を想定しておく

「プラス思考」というと、「あ〜、何でもポジティブに考えればいいって言う、あれね」
なんていう方がいます。確かに、ピンチのときに「もうだめかも」とマイナス思考に陥って、何もできなくなってしまうよりは、プラスに考え「やってみよう」と気持ちを切り替えることも大切なことかもしれません。

しかし、どんなことに対してもプラスに考えることは、「間違ったプラス思考」です。

たとえば、野球で、互いに一歩も譲らず1点を争う緊迫した試合展開をしているときの最終回、自分のチームがノーアウト満塁のチャンス。ピッチャーとしては「点を取ってくれ」と願うことが普通です。しかし、面白いことに、点が入らないと逆にスイッチが入るタイプのピッチャーもいます。

実は、ここに本当のプラス思考とは何かを考えるヒントがあります。

勝負の場面では最善と最悪を想定する

点が入ることばかり考えていたら、点が入らなかったとき、落ち込み、マイナス思考になります。しかし、点が入らずに、延長戦に突入して自分がしっかり抑え続けることを楽しみにしてしまう。このような状態ができていると、どんな状況でも力を発揮することができるようになります。

私がメンタルサポートを務める髙木菜那選手をはじめ、トップで活躍する一流の選手は必ず、最善をイメージしつつも、最悪までも想定しています。それこそが、真のプラス思考と言えるのです。勝負の場面では、つねに最善と最悪の2つのイメージをもって行動していきましょう。

③ 緊張を解く

練習ではいいパフォーマンスができるのに、試合になるとパフォーマンスが発揮できず、悔やんでしまうという選手は多くいます。これは、場面や状況が変わったときに心の変化が起きているということです。プレッシャーなどを感じて、緊張して「あがり」の状態になってしまうということです。「あがり」とは血が頭に上るという意味から気持ちが高ぶり、落ち着きを失ってしまう状態のことを言います。

そして、緊張がさらに高まり過緊張の状態になってしまうと気が動転したり、頭が真っ白になってしまい、能力がまったく発揮できないようになるのです。

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