仕掛けられた『ジャパン・ラッシュ』の真実(上) 「デフレ縮小化」で日本が世界の中心となる

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欧米によって、押しつぶされてしまうという危機感

せっかくの機会なのでこの場ではっきり申し上げておく。私が古巣である外務省を自らの意思で飛び出し、わが国でたった一つの独立系シンクタンクを創ったのは自ら金融マーケットの参加者になろうとしたからでは断じてない。そうではなくて、12年間ではあったけれども、皇室外交から北朝鮮、そしてホワイトハウスから総理官邸まで、わが国と世界の現場で外交官としての経験を重ねれば重ねるほど、強く想ったことが一つあったからなのだ。

それは「このままいくと、わが国は米欧によって押しつぶされてしまう」という強烈な危惧だった。そして何よりも「そのこと」について私たち日本人が余りにも無自覚であることについて強烈な焦りを覚えた。

「何をきっかけにそう思うようになったのか」

私はしばしばこう聞かれることがある。その度に「対北朝鮮外交を担当し、実際に平壌に乗り込む中で米国の真意を知ったことから全てが始まったのです」と答えることにしている。

外務省でキャリアの外交官であった私には、当時、実に様々な人物たちが寄ってきたものだ。その中でもとりわけ目を引いたのが、アメリカの「本当の権力」へと連なっている人脈に属する人々だった。そして私はアメリカ人でありながら完璧な日本語を操り、下手をすると、日本人である私以上に、日本のことに詳しい彼・彼女らを見て気づいたのである。

「外交や安全保障は、そのものとして存在しているわけではない。全ては金融資本主義を動かすための、道具立てに過ぎない」

「米欧を本当に統治している集団は、互いにつながっている。そして彼・彼女らにとって大事なのは“血統”であり、他方でこの集団はインテリジェンス機関、そして金融マーケットを縦横矛盾に動き回る“越境する投資主体”と切っても切れない関係にある」

「インテリジェンス機関による非公然活動(covert action)で公然とマスメディアを操作しているのも彼・彼女らである。その触手は今やインターネットにまで及んでおり、全ての個人情報にアクセスすることが出来る」

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