アジアで12月が「パリピ」だらけになる理由 お金持ちをその気にさせるパーティーの正体

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シンガポールではこうしたパーティーが特に多いのが12月です。連日連夜パーティーが行われ、1日に2つも3つもハシゴをする人も多いようです。また、イベントは通常1人もしくは複数人と一緒に参加できるので、パリピとつながっていれば、富裕層でなくても参加可能です。無料で参加ができるイベントが多いので、ほとんどがタダメシです。

残念ながら筆者は体力がないため、数回でダウンしてしまいました。また、パーティーによっては「ハラル食」(イスラム教の戒律で食べてもよいもの)のみでお酒は一切出ないなど、自分にとって合わない人もいるでしょう。肌を露出してはいけない場合もあります。

パリピの多くは、高度経済成長期に不動産などで資産を形成した「あがり」の人たちです。つまり、不動産収入や配当収入があるので、働く必要がないのです。持て余した時間でパーティーに参加して社交するのが、仕事のようになっている人たちも多くいるといいます。一般的に言って、昼間に仕事のある人は、連夜パーティーに明け暮れることは難しいのです。

豪華なパーティーだがカジュアルでハードルも低い

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シンガポールは人口の少なさや狭い国土の割に、こうしたパーティーが開催される頻度が高いようです。米朝首脳会談など、国の要人が宿泊することが多いシャングリラ・ホテルなどは、こうしたイベントでよく使われるホテルの1つです。

パーティーに欠かせない華やかなドレスもあちこちのモールで安く売られています。装いは男性の場合、ビジネススーツ、女性の場合も膝上のワンピースと、無理のない衣装で参加する人も多く、ハードルが低いのです。

バブル時代には日本でも、たくさん企業主催のパーティーが開催されました。しかしその数は減少しています。アジアだと、現在、世界中からお金が集まるシンガポールや香港のほうが、こうしたパーティーが盛んなようです。

花輪 陽子 ファイナンシャルプランナー

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はなわ ようこ / Yoko Hanawa

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)CFP®認定者。外資系投資銀行を経てFPとして独立。2015年から生活の拠点をシンガポールに移し、東京とシンガポールでセミナー講師など幅広い活動を行う。『少子高齢化でも老後不安ゼロ シンガポールで見た日本の未来理想図』 (講談社+α新書) 、『夫婦で貯める1億円!』(ダイヤモンド社)など著書多数。花輪陽子オフィシャルサイト 海外に住んでいる日本人のお金に関する悩みを解消するサイトも運営。まぐまぐ「花輪陽子のシンガポール富裕層の教え 海外投資&起業実践編」も。

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