「待機児童」が地方より東京に集まる根本原因 データで読み解く「女性の社会進出」の歴史
ここまでの事実をまとめると、
・戦前は20%だった就業率が、戦後は60%前後まで上がっている
・M字カーブが大きい
山形県
・戦前から戦後にかけて一貫して就業率が高い
・M字カーブがない
という特徴が浮かびあがってきます。東京都の特徴は、いわゆる高度経済成長期の専業主婦型社会の特徴であり、それが山形県には普及しなかったことがわかります。つまり専業主婦型社会は都市限定の現象で、地方では農業をしていた女性がそのまま第二次産業などにスライドしたため、都市部で始まった専業主婦型社会は地方に到達していなかったのです。
それを端的に表しているのが、昨今なにかと話題の待機児童数でしょう。
この表でわかるように、待機児童は都市部に多く地方で少なくなっています。戦前から一貫して女性が働く社会であった地方では、保育需要の増減が少ないため待機児童が生まれにくいのです。他方、女性が家庭を守る社会から、女性が働く社会に急速に変化している都市部では、急増する需要に供給が追いつかないため、待機児童が生まれているようです。
冒頭で述べたような、女性の社会進出に伴う問題を多く抱えている都市部は、共働き社会の「先輩」である地方に学ぶことで、問題を解決することができるかもしれません。
(編集協力:株式会社バーネット)
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