「GAFAやめました」若者が離れ始めた根本理由 現地取材!歪められた「アメリカンドリーム」
スタートアップ企業の多い、アメリカ西海岸サンフランシスコ。
ここで話を聞いたのが、スペンサー・シューレムさん(23歳)。19歳でアプリビジネスを立ち上げ、いま、彼の開発した生活管理アプリ「WeDo」は世界800の学校で使われているという。彼が言うGAFAの問題点も、その「土俵」と「データ」だ。
GAFAが大きくなりすぎたことが経済の成長を阻害しているのでは?との問いにはこう答えた。
「その質問に答えることは難しいです。僕たちはいま、将来競争する相手と同じ生態系にいます。だから、今は、僕たちに餌を与えてくれる相手の手にかみつくことはできません」
先述のダニエルと同様、彼も好青年だ。
「すばらしいプラットフォームを利用できることで、僕のアプリは成長できるのです。ただ、ルールを決めるのはたった1つの企業だったりします。僕たちにはそういうルールに疑問を持ったり、不公正な状況に直面した際に声を上げたくても、そもそも訴える場所さえありません。今のIT巨人の問題は、富の一極集中ではなく、彼らの集めたデータにどれだけアクセスできるか、できないのか、それが問題なのです」
あえて、50歳のオッサンがこんなふうに聞いてみた。
「アメリカンドリームという言葉は、君にとってどういうこと? 億万長者になること?」
「いい質問ですね(笑)。アメリカンドリームには「自由」という根っこがあると思います。選択の自由、起業の自由。こうした自由が、アメリカに移民が集まる理由です。そして、特に僕たちの世代は、“本当に自分がやりたいことの自由があるか“”自分には選択肢があるか“ということをつねに考えています。自分が生まれ育った中で考えるアメリカンドリームとは、こういうことなのです」
ダニエルの言った、「要は『選択』するかどうか、です」の言葉が頭に浮かんだ。
GAFAにはどのような「規制」が必要か
データの問題も含め、ギャロウェイ氏は、「GAFA」への規制に話を移した。
「問題は、社会として、ますます少数の企業が、経済や特権のより多くの部分をコントロールすることに対して、われわれが安心していられるかどうかだ。
私は、GAFAをより小規模な企業に分割した場合のほうが、より多くのイノベーションが生まれ、多くの株主の価値が上がり、多くの買収・合併が生まれ、ベンチャーキャピタルの支援を受ける企業が増え、雇用が拡大し、税収も上がると思う。
一方でアメリカにとって、GAFAは世界の他の国々から富を運んでくるすばらしい船だ。アメリカは彼らから利益を得ている。だからこそ、規制ということになれば、アメリカ以外の国が具体的な行動に出ると思う」
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