「GAFAやめました」若者が離れ始めた根本理由 現地取材!歪められた「アメリカンドリーム」

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ニューヨーク・ブルックリンに住む、ダニエル・オバーハウスさん(25歳)。社会人2年目の彼は、この日、愛猫のトイレの砂袋を抱えて歩いていた。重さ10キロを超える砂袋を手に、自宅まで徒歩10分余り。ついこないだまでは、アマゾンでワンクリックで買っていたのが、今はペットショップまで買いに行っている。

ペットショップで買った「猫のトイレ用砂」を持ってニューヨークの街を歩くダニエル・オバーハウスさん(写真:NHK)

アマゾンを使うのをやめたからだという。アップルも、フェイスブックも、グーグルも。ついでにマイクロソフトも、やめたそうだ。きっかけは、今年3月に起きたフェイスブックの個人データの大量流出。自身の情報が悪用されていることに憤慨し、「全部、やめてみたらどうなるか」を試すことにしたという。

「フェイスブックがきっかけだったけど、グーグルとアマゾンについては、どれだけ自分の生活が彼らに支配されているかが気になっていました。特にグーグルは、私の生活のすべてを知っていますからね。世の中、無料なんてものは何もないはずなので、こうした表向き“無料”とされているサービスに隠されたコストについて、知りたいと思いました」

グーグルをやめるのがいちばん大変だったという。何せ、会社のメールサーバーが、グーグルだったからだ。周囲でも、「この1年くらいで、自分たちが普段使っているテクノロジーについて、考え直す人が増えてきた」という。

「やめてみて学ぶことが多かったので、今のところ、ハッピーです。これらのサービスを使わなくても、普通の生活ができることがよくわかりました。要はそういう『選択』をするかどうか、です」

GAFAに左右されるアメリカ経済

NHK総合「ニュースウオッチ9」GAFA特集は、12月25日夜9時より放送予定。詳しくはこちら(写真:NHK)

リーマンショック以降のアメリカ経済を引っ張ってきたのがGAFAだ。アップルを除けば創業20年くらいの新興企業が次々とイノベーションを起こし、私たち生活者のニーズに応えてきた。いや、ニーズを喚起し、われわれの暮らしに“食い込んで”きた。

ニューヨークでは、株価を見るのも重要な仕事なのだが、彼らのおかげで、今年ダウ平均株価は最高値をつけた(10月3日)。それに先駆けて、アップルとアマゾンが相次いで、史上初の「時価総額1兆ドル」を突破したことも大きなニュースだった。1兆「円」ではなく、「ドル」だ。2つ合わせれば、経済規模で日本の半分くらいになってしまうほどの大きさだ。

しかし、ニューヨーク株価は、その後急落する。12月に入ると、今年の最安値まで沈んでしまう。これもまた、GAFAたちの株価が伸び悩んだからだ。そして、それに「取って代わる」銘柄が見当たらないのも、彼らの大きさを表している。

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