東芝出資で驚愕利回り、投資ファンド高笑い 大型増資に応じたファンドのその後を追跡

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2018年11月「東芝Nextプラン」を発表する車谷暢昭会長。直後に大型の自社株買いも始めた(撮影:尾形文繁)

投資ファンドにとって、やはり「おいしい案件」だった──。東芝が2017年12月に行った第三者割当増資のことだ。

1年前を振り返ってみよう。増資前、東芝は6000億円超の債務超過。その脱却のために半導体子会社・東芝メモリの売却契約を結んでいたが、独占禁止法の承認が2018年3月末までに間に合うか微妙だった。

有利発行ギリギリの水準

そこでひねり出されたのが増資案だった。取りまとめたのは、米投資銀行のゴールドマン・サックス。わずか3週間で約6000億円を集めた。発行価格は直近株価に対し90%の1株262.8円と、有利発行ギリギリの水準。そうした有利な条件にもかかわらず、増資に応じたのはほとんどが海外の投資ファンドだった。

東芝は増資資金を使い、倒産した子会社の米ウエスチングハウス関連の税務上損失を確定。税軽減効果も得て債務超過を解消した。

6月に東芝メモリの売却を完了し、9月末の株主資本は約2兆円に達した。危機から脱した同社だが、ターニングポイントは明らかに第三者割当増資だった。

では、増資を引き受けた側、タックスヘイブンに籍を置く投資ファンドを中心とした60社は、その後どうなったのか。

増資引き受け側は2年以内に売却した場合、速やかに東芝に報告する義務があり、東芝はそれを東京証券取引所に報告している。

本誌は2018年12月17日までの開示情報をまとめた。ファンドは引き受けた株式の45%を売却済み。60社のうち17社が、引受株数の99%以上を売却した。それら17社は、合計1362億円の投資に対し、1631億円を回収した。単純利回りにして約2割に達する。

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