元広報の彼女が食品ロスを社会に訴える理由

1つ2つの組織で解決できないが是正はできる

――オーナーの反対側にいる、本部への取材も大変だったのでは?

大変でしたね(笑)。コンビニの大手3社は、それぞれ違いもあります。1社だけどうしてもアポがとれなくて、電話するたびに違う人が出てくる状況で、実際に取材するまで2カ月かかりました。一方で、深夜営業をやめる店舗をつくったり、電子タグを導入したりと柔軟さを感じる例もあります。

本部側の視点で書くこともあります。「『”サマータイムやめて”スーパーとコンビニの悲鳴の裏側』という記事では、時間単位で動くスーパーやコンビニでは、2時間でもシステムがぐちゃぐちゃになって大変だと書きました。

争いたいわけじゃなく、「食べるために作ってるんだし、ちゃんと食べたらいいのに」というだけなんです。北海道の胆振地方地震で、幕の内弁当の具材がそろわないので捨てなきゃいけないという北海道新聞の記事「具材そろわず商品出せない 弁当工場 コンビニ規格が壁」を読みました。かたや独立系のコンビニであるセイコーマートは、ノリが足りないなら塩むすびで売っていた。消費期限、賞味期限の手前の「販売期限」が、本当にがん。災害のときこそ撤廃したり、せめて消費期限までは売っていいんじゃないかと思うんですけどね。

コンビニ業界の人からは「読んでいて耳が痛い」と言われます。個人を批判しているのではなく、システムを指摘していることは分かってもらえていると思っています。

「食品ロス」は減ったのか?

――社会が変わってきたと感じることはありますか?

オーサーに無償提供されている「G-Search」(過去30年以上にわたる新聞、雑誌の記事情報などを検索できるデータベースサービス)で、「食品ロス」や「フードロス」という言葉を検索すると、2015年と2016年が境になっています。2015年の記事数は3ケタだったのが、2016年には4ケタに。それから2018年まで4ケタで推移しています。

小売の人は「売ってなんぼ」で、捨てようが何しようが売れればOKみたいなマインドの人もまだまだ多い。けれど、今年2月に兵庫県の「ヤマダストアー」が恵方巻きの大量販売をやめるというチラシを出し、話題になりました。

SDGsセミナーの様子(撮影:Francesca Nota)

今年は恵方巻きの大量廃棄について、いろんなメディアから取材依頼があって対応できないくらいでした。変わらないんだろうなっていう諦めモードだったので、とてもうれしかったです。

まだ点でしかないと思いますが、こういう良い事例がポツポツ出てきていることが救い。全国展開しているところはまだ難しいですが、オセロのようにいつか変わればいいなと思います。

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