元広報の彼女が食品ロスを社会に訴える理由 1つ2つの組織で解決できないが是正はできる
読者の「立場」を考え、訴えかける
――Yahoo!ニュース個人の記事を書く上で、決めているルールはありますか?
「真の専門家は一般の目線まで降りられる人だ」という言葉があります。文章の分かりやすさだけでなく、自分の目線も下げることも意識しています。
また、食品業界のなかにある上下関係もすごく気にしています。私がかつて働いていた食品メーカーならば、まず小売店が上にあって、メーカーがあって。コンビニならば、本部があって店舗のオーナーがいて。その「立場」は気をつけています。
読者にもいろんな「立場」の人がいます。記事への反響も、農水省や環境省の人、大学の先生、NPOとさまざまな立場の人からありました。シェフの方や国会議員からも。一般に目線を下げることを心がけていますが、それと同時にこういう書き方なら省庁の人は読むかな? 大学の先生に届けるにはエビデンスが必要だな、と意識します。そういった記事はPVは落ちるかもしれないですが、参考になるかなと思ったら発信します。
食品ロスは、1つや2つの組織だけでは解決できない。企業だけでも、行政だけでも無理なんです。国を動かさないといけないし、議員にも動いてもらわないといけない。幅広くいろんなところにアプローチをしたいんです。集まる情報も、自分で集めたデータも、貯め込むんじゃなくて出して循環させたい。食べ物も食べて出す、同じですよね。