2年前発売の「AirPods」が売れ続けているワケ クリスマス商戦で最も注目のアップル製品だ

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縮小

先述のようなスマホとの組み合わせによる新たな売上高の創出に加え、アップルのエコシステム内にユーザーをとどめる効果を発揮している。小さなAirPodsは、スマホ縮小の時代に対して、一石二鳥の効果を発揮する製品だったのだ。

2019年にもアップグレード?

Appleは多くの製品を毎年、もしくは2年ごとに刷新してきた。AirPodsも2018年秋で2年が経過し、いよいよ新モデルへの期待も高まっている。アナリストのKuo氏は、2019年にも、ケースがワイヤレス充電に対応するAirPodsの新モデルを予想する。

AirPodsに限らず、スマートフォンと組み合わせるワイヤレスオーディオ製品へのニーズは、より長いバッテリーライフだ。AirPodsは5時間の連続再生を実現するが、これは許容範囲であって、ケースのバッテリーとの組み合わせで充電頻度を減らす工夫をしているにすぎない。

2019年にもケースがワイヤレス充電に対応するAirPodsの新モデルを予想(筆者撮影)

ワイヤレス通信の効率化や、昨今注目される高い効率性を誇る窒化ガリウムバッテリーを活用するなど、技術向上の余地も残されている。加えて、iPhoneやApple Watchで実現している音声アシスタントを操作なしで呼び出せる「Hey Siri」機能への対応も期待されており、マイクを常時オンにするにはやはりバッテリーの見直しは不可欠となるだろう。

また、2019年に向けて、アップル以外の競合製品も出そろってくる。すでに製品をアナウンスしているBose、Sennheiser、Ankerだけでなく、グーグルやアマゾンなど音声アシスタントでアップルと競合する各社も、「重要なインターフェース」としてワイヤレスヘッドホンを位置づけていくだろう。

競争が激しくなるなか、アップルがAirPodsの先行優位性をいかに維持しながら新製品へとバトンタッチするのか注目される。しかし現段階では、AirPodsがその優位性を保っており、iPhoneと最も相性のよい完全ワイヤレスヘッドホンの地位を謳歌することになるだろう。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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