iPhone Xファミリーが遂げた超絶進化の全貌 フィル・シラー氏が明かすカメラ機能の秘密

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「私たちは一流の写真家の意見を取り入れ、過去に撮影された多くの作品から学んで世界最高の(カメラ用デジタル)フィルターを開発した」。自らも写真撮影が大好きだというシラー氏は「しかし、重要なことは撮影された写真を“きれいだ”と感じてくれること。被写体の細かなディテール、質感、奥行き感、ホワイトバランスなど、いろいろな部分で違いが出せるよう、数多くの工夫がiPhoneのカメラには盛り込まれている。カメラ以外にも、iPhone全体に極めて多くの改良、仕掛けが組み込まれ、使用者がそれとは気付かないうちに機能している」と続ける。

この考え方は、パーソナルコンピュータ“Macintosh”の時代にまで遡る頃からのアップルのDNAだとシラー氏。

テクノロジーとアートとリベラルアーツの交差点

たとえば、macOSのフォントレンダリング(文字描写)やレイアウトは、つねに印刷物に匹敵する品位となるよう細かな調整が行われてきた。画面上の色と印刷物、あるいはデジタル写真が持つ本来のカラー特性とディスプレーとの間での一致感を高める“カラーマネジメント”も同じだ。

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いずれもプロフェッショナルにとっては重要な要素だが、一般ユーザーにもユーザーインターフェースを通じてそれらの技術を提供することで、その品位の高さ“感じてもらえる”と信じているのだという。

「スティーブはよく、私たちは“テクノロジーとアートとリベラルアーツの交差点”に立っているのだと話していた。だからこそ、感性に訴える部分に力を入れるが、一方でそれは説明すべきものではなく、感じてもらうべきものだとも考えてきた。アップル製品にはまだまだ知られざる仕掛けがたくさんある。製品を通じて、それらを感じてくれるとうれしいね」(シラー氏)

本田 雅一 ITジャーナリスト

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ほんだ まさかず / Masakazu Honda

IT、モバイル、オーディオ&ビジュアル、コンテンツビジネス、ネットワークサービス、インターネットカルチャー。テクノロジーとインターネットで結ばれたデジタルライフスタイル、および関連する技術や企業、市場動向について、知識欲の湧く分野全般をカバーするコラムニスト。Impress Watchがサービスインした電子雑誌『MAGon』を通じ、「本田雅一のモバイル通信リターンズ」を創刊。著書に『iCloudとクラウドメディアの夜明け』(ソフトバンク)、『これからスマートフォンが起こすこと。』(東洋経済新報社)。

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