新iPhone、自社開発半導体"超絶進化"の全貌 クラウドではなく端末内で高度な処理を実現
9月12日(米国時間)、アップルはカリフォルニア州クパチーノ市の本社において新しいiPhoneと新しいApple Watchを発表した。iPhoneは同シリーズ最大のヒットとなったiPhone X(テン)の後継機種とバリエーションモデルの合計3モデル。Apple Watchは発売以来、はじめて筐体構造デザインを刷新したフルモデルチェンジとなった。
今回の新iPhoneにおけるもっとも大きなトピックスは、採用するオリジナルのSoC(システムオンチップ)「A12 Bionic」である。ニューラルネットワーク(神経回路網)を応用した処理を行うための“ニューラルエンジン”を大幅に強化し、クラウドの力を借りず端末のみで従来にない高度な処理、機能を実現できるようになる。
これは単純に「ゲームの描写能力がすごい」「アプリが速く動作する」といった直線的な性能向上をめざしているわけではない。基本ソフトであるiOSの進歩と組み合わせ、多様な価値を端末に与えていくことが目的だ。このニューラルプロセッサーを扱うためのAPI(機能を呼び出すインターフェース)は、すでに最新版が昨年6月の開発者向け会議で披露されており、多数のアプリで活用されていくことだろう。
さらには課題とされている内臓バッテリー持続時間も延長された。モデルによって異なるものの、それぞれ昨年のモデルに比べて1〜1.5時間ほどバッテリーのもちがよくなっているという。
まずは「iPhone X」シリーズについて話を進めよう。
新型モデルはすべてホームボタンなし
新型iPhone3機種は、すべてホームボタンがなく、ほぼ全面がディスプレーとなるiPhone Xシリーズのバリエーションモデルとなった。ただしホームボタンを搭載するiPhone 7、iPhone 8シリーズは、価格を引き下げてラインナップに残す。
今年はアメリカなどでは“S Year”といわれる“マイナーチェンジ”の年。iPhone Xと同じ5.8インチディスプレーを搭載するモデルは「iPhone XS(テンエス)」と名付けられた。さらに、このiPhone XSと同機能を備えつつディスプレーを6.5インチに拡大したモデルには「iPhone XS Max(テンエスマックス)」という名称が与えられている。
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