名門パイオニア、ファンド傘下入りの「覚悟」

3000人規模リストラも計画だが、視界は不良

自動車部品メーカー大手のカルソニックカンセイなどが支援先として名乗りを上げる中、最終的に、9月にベアリングとスポンサー支援の基本合意を締結。シンジケートローン借り換え期限間際の9月18日に250億円の融資を受けた。12月中に500〜600億円の増資を行うための本契約に向け10月中の合意を目指したが、交渉が長引いていた。

パイオニアの森谷社長(左)は会見で非上場化を決断した経緯について語った(編集部撮影)

9月の基本合意時点では、両者は上場維持を前提に話を進めていたというが、森谷社長は「やはりお金だけ出してもらうわけにはいかない。一緒の船に乗り、どう再生して行くかを考えた」と、打ち明ける。増資額が計画より170 億円増えているのは、2020年12月に償還予定の転換社債について、その時期までに150億円分のキャッシュを用意できる見通しが立たないためだという。

求められるマネジメント能力

パイオニアはこれまでも経営危機に見舞われてきた。社運をかけたプラズマ事業の不振で2010年まで6年連続の最終赤字を経験した。大規模なリストラや工場閉鎖を断行し、ホンダなど3社に対する第三者割当増資で急場をしのいだ。2014年には祖業のオーディオ事業と売れ筋のDJ機器事業を売却し、車載事業へと大きく舵を切った。

だが、グローバルでの技術革新のスピードを見極められず、客先からの大掛かりな仕様変更を請負わざるを得なくなった。森谷社長は、「売り上げの増減に対してのコストの出方や、開発投資と回収のバランスをマネジメントする能力が不十分だった」と反省を示す。

パイオニアの子会社インクリメントPは高精度3D地図の高い技術を持ち、パイオニアの「虎の子」とされる(記者撮影)

将来の成長を見込む高精度3D地図を開発する子会社「インクリメントP」や自動運転用の高性能センサーLiDARなど注目すべき事業はあるが、黒字化には程遠い。ベアリングによる完全子会社化が完了するタイミングで、パイオニアは中期経営計画や具体的な再建計画を発表する予定だが、成長戦略をどう描くかが注目される。

加えて、変化の激しい車載ビジネスの荒波の中、パイオニアの高い技術力や優秀な人材を、いかにマネジメントできるかが新体制の課題になる。社員口コミサイトの「Vorkers」には、「経営センスのある人物を外部から迎えるべきだ」という元社員のコメントが寄せられている。外資系ファンド傘下で生まれ変わることができるのか。

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