「ドルビーシネマ」初上陸が博多になった理由 新たなプレミアムシアターが日本にお目見え
内覧会では現在、公開中の最新作『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』のメガホンをとるデヴィッド・イェーツ監督からのメッセージも寄せられた。そこでイェーツ監督は「ドルビーシネマには驚いた。何度も観たはずの映画が別の映画に感じるんだ。ドルビーシネマで観ると、鮮やかな映像世界に入り込める。鮮烈な映像や音響によって臨場感が高まり、物語がさらに生き生きとしたものになる。それによって登場人物と同じように、一緒に笑ったり、ハラハラしたりできる。すばらしい技術だよ」と語った。
12月21日からはレディー・ガガ主演の『アリー/スター誕生』も公開される。『アメリカン・スナイパー』などで知られる俳優のブラッドリー・クーパー氏は、同作が初監督作品となる。そして、彼もまたドルビーシネマに魅せられたひとりだ。
「この映画ではリアルな感じを伝えたかった。アリーが車を出て、ライブ会場の建物に近づくところでは、ドルビーアトモスの音響技術を大いに活用して、視覚体験を増幅させるんだ。そこからアリーがステージに立つところになると、自分もステージに立ったような気持ちになる。ドルビービジョンの豊かな色彩は、シーンの情感をくっきりとしたものにしてくれる」とクーパー氏は語る。そして、「だからこの映画のプレミア上映はドルビーシネマにこだわった。ドルビーシネマは理想的な環境をクリエーターに提供してくれるからね。今後、僕が作る映画はみんなドルビーシネマで上映してほしいよ」と言い切る。
今後の「T・ジョイ博多」での「ドルビーシネマ」上映作品としては、1964年制作のミュージカル映画の続編となる『メリー・ポピンズ リターンズ』(2019年2月1日公開)、DCコミックス原作のヒーロー映画『アクアマン』(2019年2月8日公開)、『ラ・ラ・ランド』のデイミアン・チャゼル監督がアポロ11号の月面着陸計画を描く『ファースト・マン』(2019年2月8日公開)と続く。
国内で導入館は徐々に広がる予定
さらには、日本のコミック「銃夢」を実写化した『アリータ:バトル・エンジェル』(2019年2月22日公開)、マーベルコミック発の女性ヒーロー映画『キャプテン・マーベル』(2019年3月15日公開)、『ロード・オブ・ザ・リング』のピーター・ジャクソン監督最新作『移動都市/モータル・エンジン』(2019年3月公開)というラインナップで、映像・音響にこだわった作品が、スクリーンで上映される。
一方、ドルビーシネマの国内での展開も徐々に進んでいる。松竹系のシネコン運営会社・松竹マルチプレックスシアターズは、埼玉県のさいたま新都心にあるMOVIXさいたま内にドルビーシネマを設置すると発表した。オープンは2019年のゴールデンウィーク。さらに東京の丸の内ピカデリーにも2019年秋をメドにオープンさせる。1スクリーンすべてを全面的に改装する必要があるが、今後もさらに拡大していくと思われる。
こうした、プレミアムシアターが増える背景には、映画を観るならよりクリアな音声、映像で観たいという観客のニーズが高まっているからだ。今は、地元の映画館で観るというより、遠方でもそうした設備が整ったスクリーンで観たいという人が増えている。
日本初の4Kツインレーザープロジェクターを導入する「109シネマズ大阪エキスポシティ」や、IMAX専用の劇場を一から構築した「成田HUMAXシネマズ」、独自の音響システムを有し、極上音響上映を展開する「立川シネマシティ」など、「遠出をしてでもあえてこの劇場で」という劇場は全国にいくつかある。この、「T・ジョイ博多」もそんなプレミアムシアターのひとつとして注目を集めることになるだろう。
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