ジム・ロジャーズ氏「19年米国は深刻な事態に」

個人投資家はこれからどうすればいいのか

――アップルのiPhoneが販売不振に陥ったように、スマートフォンが世界経済の成長を牽引する時代は終わりました。今はAI(人工知能)や自動運転技術など次の技術革新の波が訪れるまでの「はざま」にあるようにも思われます。

あなたの言うとおり。新しいテクノロジーというのは、いつの時代にもあるものだ。ブロックチェーンなり、AIなりね。だがこれらの新技術は、現代におけるスマートフォンの域にはまだ達していない。スマートフォンは20年くらいかけて、革新的な進歩を遂げた。ブロックチェーンやAIだって、いずれスマートフォンのように(私たちの生活の一部に)なるだろう。でも、まだ先の話だ。

米中貿易戦争深刻化、世界経済に大きな影響

――「米中貿易戦争」は、次世代の新技術が世界経済を牽引するまさに「はざま」に勃発、長期化の懸念があります。いずれは収束に向かうでしょうか?

私は、米中首脳会談の後に起きる状況が本質ではないと思う。2019年か2020年にはまた状況が悪化して、そこから本当の米中貿易戦争が始まるだろう。そしてそれは、世界経済に深刻な影響をもたらすと思う。

――この問題では、アメリカの政権内部が一枚岩ではありません。それでもトランプ政権は強硬派を立てつつ、中国と戦うのでしょうか?

ある国が問題を抱えている時は、そうした問題をすべて外国人のせいにしようとする、というのが歴史上のつねだ。これは、アメリカだけでなく、日本、ブラジル、ドイツ、どこの国も皆そうしてきた。

ロジャーズ氏は「2019年か2020年には本当の米中貿易戦争が始まるだろう。そしてそれは世界経済に深刻な影響をもたらす」と言う(筆者撮影)

今、アメリカにはいろいろな問題が生じているが、そこでアメリカが標的にしているのが中国だ。この先、アメリカの問題は中国のせいだ、と言い出す人はたくさんいると思う。1980年代は、責める相手は日本だった。アメリカは「日本がすべての問題の根源だ」と思っていた。でも、今の標的は中国に変わった。だからこれから、米中関係は悪化の一途をたどると思うよ。

でも、繰り返すけど、歴史的に見るとどこの国も同じことをしている。外国人を責めるのがいちばん簡単だから。外国人は見かけが違うし、肌の色が違うし、食べるものが違うし、言葉が違うし、宗教も違う。外国人を責めるのは簡単なんだ。だから皆は必ずそうする。

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