保育無償化が「誰得か」よくわからない現実 アンケートから見えた保育行政現場の懸念
本アンケートで最も回答率が高かったのが、認可外保育施設に関する設問でした。保育の質の確保と、業務の膨大化への危機感が非常に大きく、保護者の立場からも背筋が寒くなる状況が垣間見えています。
今回無償化されるのは3〜5歳児の保育料で、保育所、認定こども園、幼稚園はもちろん、認可外保育施設やベビーシッターの利用者にまで広げられました。
認可外保育施設は、指導監督基準を5年以内に満たすことが条件になっており、その確認作業も基礎自治体に降ってくる可能性があります。その利用者に保育の必要性を認定する作業、費用を償還する作業も新たに発生します。しかも、そのスキームはまだ国から示されていないのです。
そもそも認可外保育施設を無差別に対象とすることで、質の低い施設にも住民の利用が促される可能性があり、子どもの利益に反します。「質の高い幼児教育の普及」という目的はどこへ行ってしまったのか、問われなくてはなりません。
無償化政策は社会にとって損失
アンケートの自由記述欄からは、まだ見えないが確実にやってくる膨大な業務に呆然とする保育行政の現場が見えてきます。
2017年10月の衆議院議員選挙で自民党の選挙公約として掲げられたことで始まった幼児教育の無償化。この唐突さと無謀さは、今問題が噴出している企業主導型保育事業と似ています。
日本は子どものためにもっとお金を使うべきです。しかし、的外れな施策に無駄遣いし、国や自治体の借金を増やしたのでは、子どもたちのためにならないだけでなく、社会にとって損失となるでしょう。
http://hoikuoyanokai.com/
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら