みなとみらいの不動産価値が「落ちない」理由

希少性という観点では首都圏最強レベル

住宅が建てられるのは地域中央にあるグランモール公園の北側だけと定められており、現時点では計画された土地のすべてにタワマンが建てられており、今後増えることはない。分譲住宅の戸数は3856戸で人口は9000人強。これで打ち止めである。

だが、オフィスをはじめ、大学、ホテルなどはまだまだ増える。2019年以降、京急グループ本社や資生堂グローバルイノベーションセンター、LGグローバルR&Dセンター、村田製作所の研究開発拠点「みなとみらいイノベーションセンター」、神奈川大学みなとみらいキャンパスなどがオープンする予定だ。

みなとみらいの価格が落ちる可能性は?

つまり、働く人と通う人が増え続けるのに住宅は増えないのである。希少価値は今後もしばらくは保たれるだろう。実際、2年前には常時70~80戸が出ていた中古物件が、この1年半ほどは20~25戸ほどで推移。ニーズに応えられない状態が続いており、さすがに右肩上がりが続くとは言えないまでも、しばらくは価格が下がることは考えがたい。

とはいえ、将来にわたって安泰という意味ではない。たとえば、みなとみらいと運河を挟んだ北仲通地区では現在、再開発が進んでいる。住宅も計画されており、馬車道駅と直結する街区では横浜市最高層となる58階建ての「ザ・タワー横浜北仲」が姿を見せつつある。一般販売戸数1126戸に対し、登録申し込みは3700件に上った(倍率約3.3倍)。最高倍率は42倍という大人気ぶりで、今後みなとみらいからの転居も増えることが見込まれる。

開発が進む北仲地区。左は1棟の建物としては日本最大客室数となる2311室を有するアパホテル&リゾート「横浜ベイタワー」で地上35階建て。右が「ザ・タワー横浜北仲」で、まだまだ高くなる予定(筆者撮影)

みなとみらいは地域冷暖房を取り入れているのだが、全体でコントロールされているため、個別の住宅のみ暖かくしたり、涼しくすることができないという問題もある。特に冷暖房切り替えの4月と11月には1週間ほどエアコンが使えなくなり、それが意外に不満になっているとか。そこに市内最高層、最大規模で最新設備を備えた物件登場となれば、住み替えようという人も出てくるだろう。

外国人や高額所得層のファミリーに人気だが、ほとんど新規の供給がなく、市場が停滞していた山手エリアでも2021年にインターナショナルスクールの移転が決定。同時に高齢化に伴った世代交替が進んでおり、開発の兆しが出つつある。周辺でのこうした動きがみなとみらいの高値安定状態にストップをかける可能性はある。

だが、面白いのはこれらの開発もまた、制限付きであるという点だ。北仲通地区は全体で3棟のタワーが予定されており、最終的には3000戸くらいの規模になるのでは、と言われているが、それでおしまい。計画数が建ったら、それ以上に増えることはない。山手は地形的に制限がある。希少性のある高台は見てすぐわかり、しかもさほど広くはないので開発が行われても、住みたい人の数を上回る住宅が供給される可能性はない。

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