急上昇した「武蔵小杉駅の混雑」緩和策は? タワマン開発相次ぎ、輸送力が追いつかない

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武蔵小杉駅の横須賀線側(新南改札)。上を東海道新幹線が通過する(筆者撮影)

国土交通省が毎年発表する電車の混雑率。上位に顔を出す路線名は例年あまり変わらなかったが、2015年度は「上野東京ライン」の開業で、これまで長らくJR線の混雑率トップ3にランクインしていた山手線と京浜東北線の上野~御徒町間が5位以下となり、顔ぶれに変化が生じた。

混雑率のデータはその路線でもっとも混み合う区間と時間帯が示されるが、2015年度のJR線の混雑率トップ3には、同じ駅名が2回登場する。その駅は新宿でも池袋でも上野でもなく、都心部にあるほかのターミナル駅でもない。近年発展が著しい、神奈川県川崎市の武蔵小杉駅だ。

改札まで行列ができる

武蔵小杉駅は、JR南武線・横須賀線・湘南新宿ラインと東急東横線・目黒線の5路線が乗り入れる、川崎市の交通拠点の一つだ。かつては南武線と東横線だけの乗換駅だったが、2000年に東急目黒線が乗り入れを開始し、2010年にはそれまで通過するだけだったJR横須賀線にも新たに駅が開業。駅周辺の急速な開発進展とともに、利用者数は急速な伸びを見せるようになった。

平日朝8時ごろの武蔵小杉駅。JR線で3番目に混雑する南武線の朝8時台は、2~3分おきに電車が発着し、そのたびにホームはJR横須賀線や東急線への乗り換え客でごった返す。南武線のホームと横須賀線のホームは離れており、エスカレーターや動く歩道を乗り継いでの乗り換えだ。「ラッシュ以外の夜の時間帯でも通路は8割ぐらい人で埋まっている感じ。もっと広ければいいのに」と、通勤で同駅まで南武線を利用する30代女性はいう。

横須賀線側の改札口もかなりの混雑だ。東海道新幹線の高架の奥にある同改札へは、新幹線高架の手前から列ができている。同改札口にある自動改札機は全部で6台だが、このうち左側の2台が横須賀線ホームへ上るエスカレーター利用者向けとなっており、同線のホームへ上る人々が並んでいるのだ。電車内の混雑ももちろんだが、駅やホーム上の混雑も激しい。

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