新都知事で実現?銀座〜有明「地下鉄構想」 五輪後の臨海部発展に中央区は期待するが…
国土交通大臣の諮問機関である交通政策審議会が、首都圏で整備すべき鉄道網の在り方について陸上交通分科会鉄道部会にて議論を始めてから2年。2016年4月、東京圏の中期的な鉄道計画マスタープランとなる答申案を示した。将来の姿として、24の鉄道新線構想が盛り込まれた。
その中でも注目されたのが、銀座と月島・晴海・有明臨海部を結ぶ「都心部・臨海地域地下鉄構想」(以下、臨海地域地下鉄)。将来的には、東京駅付近まで延長し、秋葉原~東京駅間の延伸構想のある常磐新線(つくばエクスプレス)と相互直通運転を行うことも期待されている。
主導してきたのは中央区役所だ。2014年に銀座と有明を結ぶ地下鉄構想を打ち出し、2014・2015年度と新線の整備に向けた検討調査を行ってきた。その調査報告書が2016年7月に公開された。「今回の答申に採用されたことで、構想は一歩踏み出すことができた」と、中央区役所の担当者は期待を寄せる。臨海地域地下鉄構想、その狙いはどこにあるのか。どのような課題があるのか。
臨海地域から銀座へ1本で
報告書によると、臨海地域地下鉄のルートは新銀座駅~新国際展示場駅の5kmで、中央区内では晴海通りの地下を、江東区内では環状2号線の地下に敷設することを想定している。
駅は5カ所。都心側の起点は「新銀座駅」で銀座駅付近とされた。「新築地駅」は勝鬨橋の西詰に位置し、築地市場跡地の開発計画との連携を考慮している。
「勝どき・晴海駅」は、両地区の中間地点、運河に架かる黎明橋付近をイメージしている。都営大江戸線との乗換は不便になるが、駅数を抑制することを考えた。「新市場駅」は、ゆりかもめ市場前駅、「新国際展示場駅」は、りんかい線国際展示場駅の近くを想定している(駅名はいずれも仮称)。
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