急上昇した「武蔵小杉駅の混雑」緩和策は? タワマン開発相次ぎ、輸送力が追いつかない

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1996年に約6万6700人だったJR武蔵小杉駅の1日平均乗車人員は、2015年にはほぼ倍近い12万4300人にまで増加。

2000年代前半まではJR東日本全駅の乗車人員ランキングでも50位台後半~60位台に位置しており、2000年度は61位で近隣の南武線・武蔵溝ノ口駅(57位)よりも下位だったが、2015年度には26位と大きく引き離した。

東急線の乗車人員も、横須賀線の駅開業直後は一時期減ったものの再び増加し、20年前と比べると1日あたり約2万人増加した。

駅のある川崎市中原区は、今年6月に同市の区で初めて人口が25万人を突破した。

主因は武蔵小杉駅周辺に林立するタワーマンションに代表される住宅開発の進展だ。他地域からの転入だけでなく、出生者数から死亡者数を引いた「自然増」も多いことから、若い子育て世代の増加も続いていることがうかがえる。

交通アクセスのよさで人気に

同駅が人気を集める理由のひとつはその利便性だ。横須賀線を利用すれば品川まで約10分、新宿へは湘南新宿ラインで約20分。横浜や渋谷へは東急東横線が頻繁に走り、小田急線や東急田園都市線方面へも南武線でアクセスできる。

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2014年にオープンした「グランツリー武蔵小杉」(筆者撮影)

さらに、駅周辺では商業施設の開業も相次いでいる。2013年4月には、東急線の駅に直結したショッピングセンター「武蔵小杉東急スクエア」が開業、翌2014年4月には「ららテラス武蔵小杉」、そして同年11月にはセブン&アイによる大型施設「グランツリー武蔵小杉」がオープンした。

リクルートグループの情報サイト「SUUMO(スーモ)」が先ごろ発表した「住みたい街ランキング2016」では、自由が丘や目黒、新宿などをおさえて4位にランクイン。2010年のランキングでは16位だったことから、いかに急成長を遂げたかがわかる。

急速に発展する同駅に乗り入れる横須賀線と南武線が、ともに混雑率ランキングの上位に入るのは不思議ではない。しかし、ほかの混雑率上位の路線と比べると異なる傾向が見られる。混雑率は高いものの、輸送人員では決して上位には入らないのだ。

たとえば、混雑率が199%でトップの総武線各駅停車・錦糸町~両国間は、輸送人員もJR線で2番目に多い7万6760人。これに対し、混雑率193%で2位の横須賀線は3万6010人、190%で3位の南武線は4万1750人で、どちらも輸送人員ではJR線のトップ10に入らない。つまり、輸送量のボリュームそのものが多いというよりは、輸送力が小さく、成長に追いついていないという見方もできる。

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