みなとみらいの不動産価値が「落ちない」理由

希少性という観点では首都圏最強レベル

神奈川県のうちでも、みなとみらいや関内、山手、元町、鎌倉などは景観にうるさく、それが供給を制限する形になっているという声もある。

「みなとみらいでは建物のデザイン、色やその他、事前承認が必要ですし、緑化の割合なども厳しい。山手、鎌倉のような歴史のある町では地元への根回しが重要で、それに時間、手間、費用がかかり、地元の会社か、体力のある会社以外は入りにくい。結果、供給が絞られ、価格が維持されるのです」(ケン・コーポレーション)。

資産価値が落ちないマンションの条件とは

みなとみらいの価格が多少落ちたとしても、周辺エリアで高値が続けば、全体として横浜市中心部の人気と資産価値はさほど落ちないことになる。ある程度以上には増えないという、戸数の制限は資産価値維持に役立つというわけだ。

これまで、資産価値が落ちないマンションには3つの要件があると言われてきた。立地、広さや設備、全体計画などの先進性、管理である。だが、ブランド力、競争力があって価格が高止まりしている物件を単体ではなく、地域という観点で見直してみると供給数が限られている希少性という要件も見えてくる。最強の不動産広告「二度と出ない物件」は、同じ場所は2つとないという、不動産本来の価値を表すものとして立地に使うのが一般的だが、数として限られているとも読めるのである。

みなとみらいと北仲地区。運河を挟んだ対岸にあるという、近さがよく分かる(筆者撮影)

しかし、みなとみらい、北仲のような地域や目標戸数を限定した再開発、山手のように地形による制約のある場所などでないかぎり、供給戸数の制限はこれまでほとんど行われてこなかった。周辺に建てられる場所があれば、建て続けられるのは武蔵小杉や湾岸からもわかるとおり。資本主義は儲かるとあればとどまるところを知らない。もし、1社が制限によるプレミア感を求めても他社が建ててしまえば意味がない。

行政も建築の制限には消極的だった。住宅建設が可能な場所への建築申請を却下することが仕組み的にできないうえに、制限によって住宅価格が高止まることは購入の機会を減らし、公平性を欠く結果になると考える首長もいるからだ。

だが、極端なタワマンの増加は資産価値を脅かす可能性があるだけでなく、実際問題として保育園や幼稚園、小・中学校などの教育施設やスーパーなどの生活利便施設の不足や、鉄道や道路などの交通インフラの混雑などの弊害も生み出す。最近、うわさされる武蔵小杉のネガティブニュースは供給過多による弊害だろう。

それを受け、中央区や江東区のように「居住誘導政策」を転換する、事実上の規制を導入するなどの手段でタワマン増をストップしようという動きもある。まだまだ増やそうという地域と、減らそう、制限しようという動きにでる地域。数が増えることで住宅購入者が買いやすくなる可能性は否定できないが、買った後を考えるとどちらが良いのか。悩ましいところである。

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