38歳、NYで「1人サーカス団」貫く彼の生き方 一度は夢破れて帰国したが好機はやって来た

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夢をあきらめず、たったひとりで全米50州を巡った渡辺好博さん(筆者撮影)
世界中のアーティストにとって、ニューヨークはあこがれの街。日本からも毎年多くのアーティストがニューヨークに渡っている。彼らにとっての“サクセス”は、「とりあえず一度ニューヨークに行ければいい」から、「ニューヨークで活動を続ける」「有名になる」「稼ぐ」と、さまざまだろう。
そんな日本人ニューヨーカーのリアルに迫る連載の第2回。

目立ちたがりでお調子者、夢は”ハリウッド俳優になる”

よしさんこと渡辺好博さん(38歳)の肩書は、「東京サーカス団長」だ。とはいえ、活動当初の団員は自分1人。それも、“芸のない”サーカス団だった。

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1980年に兄1人、姉2人の末っ子として長崎市で産まれたよしさん。ひとりだけ歳が離れていたこともあり、みんなからかわいがられた。しかし、両親はケンカばかり、思春期の兄姉たちも親と対立、「なぜみんなで一緒に笑えないのだろう」と考え続けていた。根っからの目立ちたがり気質に加え、「人に笑ってもらいたい」という思いが強く、クラスでもお調子者のムードメーカーに徹する子どもだった。

小学生の時に観た映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でハリウッド映画のスケールの大きさに感動。「将来はアメリカの大学に進学し、ハリウッド俳優になる」と決めた。中学の成績は中の上だったが、生徒会長を務めるなど内申書がずば抜けてよく、市内の男子高校に特待生として入学。ハリウッド俳優の夢に近づくために、英語コースを選択し、ランチタイムにはネイティブスピーカーである外国人教師のところに押しかけ、必死で英語を習得した。

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