脳を活性化する「ライフキネティック」の凄み ドイツ発祥の手法はアスリート以外も役立つ
「サッカー日本代表が世界で勝つには、もう認知能力・判断力を上げるしかないと思っています。
技術は世界のトップクラス並と言われていますし、フィジカル面だって圧倒的に弱いのかといったら、今はそこまで大差ない。身体能力は海外の大柄な選手にも引けを取りません。
そう考えたら、日本が世界の上位に食い込んでいくには、『脳』にフォーカスしたトレーニングを取り入れるしかないんです。僕はライフキネティックと出会って、日本サッカー界を変えるにはこれしかないと思いました」
鹿島アントラーズ、ジェフユナイテッド市原・千葉などで14年にわたり、Jリーグで活躍した深井正樹氏(現・ジェフ千葉普及コーチ)は、ドイツ発祥の脳活性化プログラム「ライフキネティック」との出会いにより、日本サッカー界の課題と未来への指針をこう見出した。
全世界で活用が進むライフキネティックとは
ライフキネティックとは、簡単な動きで脳を活性化させることを目的としたプログラム。ドイツ有数の運動指導者の1人であるホルスト・ルッツ氏が開発し、脳科学研究者や学習指導研究者との共同開発で独自のプログラムを開発している。
認知機能や学習能力、そして運動のパフォーマンス向上など、さまざまな効果を理論的に導き出したうえで成果へとつなげていくトレーニングで、注目が集まっている。
発祥地のドイツを中心としたヨーロッパ諸国はもちろん、アメリカや日本でも導入が始まっており、世界各国で広がりをみせている。
スポーツ界のあらゆるジャンルで導入が進んでいるが、特にドイツのプロサッカーリーグでは多くのチームがこのプログラムを活用。香川真司選手が所属するドルトムントも、ユルゲン・クロップ氏(現・リヴァプール監督)が監督として率いていた時代にトレーニングメニューに取り入れた。それもあって、2010年からリーグ2連覇を果たしている。
国内においては、深井氏が所属するジェフ千葉(普及育成)、そして来シーズン6年ぶりとなるJ1昇格を果たした大分トリニータ(トップチーム、普及育成)。さらには野球、水泳、格闘技、ソフトテニスなど、団体から個人まで幅広い競技に導入されている。
深井氏は引退後、古巣のジェフ千葉で普及育成コーチを務め、今年5月からライフキネティックアンバサダーとしても活動を開始した。
きっかけは、同チームで同じく普及コーチとして指導している伴英氏の存在だった。伴氏は、もともとライフキネティックトレーナーとしても活動しており、一緒にクラブの練習メニューを作っている際、脳活性化プログラムの話を聞いたという。
「めちゃくちゃいいメソッドじゃん!」
そう思った深井氏は、実際に体験会に参加し、自身もトレーナー資格を取得しようと勉強に励むようになった。
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