「SUV」が世界の新車市場を席巻した本質理由

もしホンダがスーパーSUVに参入したら?

森口:さまざまな技術の積み重ねに対する違和感もなくなってきています。それが乗った人が「これだったらいい」と思える理由の1つでしょう。特にヨーロッパはスピード違反の取り締まりがすごく厳しくなって、スピードを出さない方向性になっている。さらに背の高いクルマをうまく走らせることができる技術の進歩が重なった。逆に言うと今のSUVを知ってしまうと「なんで今までこんな背が低くて乗り降りしづらいクルマに乗っていたのだろう」と思いますよ。

SUVはメーカーの利ザヤ稼ぎにも貢献

森口:新規参入は、アルファロメオ、マセラティ、ジャガーなど割とスポーティなブランドが多い。スポーティなイメージというのを掛け合わせて、実用性の中で反映させるのにSUVは表現しやすい。

森口 将之(もりぐち まさゆき)/モビリティジャーナリスト。1962年生まれ。移動や都市という視点から自動車や公共交通を取材。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。著書に『富山から拡がる交通革命』(交通新聞社新書)(撮影:梅谷秀司)

藤島:ひと月に1万台を超える販売台数を記録したトヨタ「C-HR」が象徴的ですね。スポーティなものは欲しいけど、家族の同意が必要だったり、若い人なら友達と一緒に出掛けたかったりする中で、ある程度の実用性も持ってないとそもそもクルマとして持てない時代になってきている。その折り合いがつくちょうどいい場所にSUVがある。

西村:C-HRと並び三菱「エクリプス クロス」も個性がある。割と走りの方向に振って、しかもオンとオフに対応できるのが三菱らしい。“なんちゃってSUV”ではなく、しっかりと三菱の良さが出ている。

藤島:あんなにいい汗かけるクルマもなかなかないですよね。

西村:一方で輸入車含めて、すごい性能だとは思うけど現実味が薄いのが難点。大排気量のハイパワーエンジンを積んだSUVは確かに存在感がたっぷりだし、一気に加速したときは素直に楽しいんだけど……。これらを総合すると、高額付加価値商品としてメーカーの利ザヤを稼ぐためにもSUVは貢献しているのかな、とも思います。

藤島:メーカーの儲けを考えると、SUVはこだわりをもってクルマ選びをする人が多いから、収益率が高いと言われている。メーカートータルの利益を考えたときに、価値ある機能性や魅力的な商品にお金を払ってもらいやすいという意味で稼ぎ頭になりうるワケです。

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