「地方女子は進学しなくていい」風潮は本当か データで読み解く「男女の大学進学率」の差

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続いて、女子をひとり暮らしさせる親にとって気になるのが治安の問題です。たとえば性犯罪認知件数を見ると、やはり都市部で犯罪が多なっています。

■性犯罪認知件数

このような状況で、娘を都会に出してひとり暮らしさせようとすると、住居のセキュリティー面で男子学生よりもよけいにコストがかかります。また、子どもが男子であれば、仕送り額以上に必要な資金は「バイトで稼げ」と言いやすいでしょうが、女子学生の場合は、金に困った女子学生が稼ぎやすい風俗産業に流れることを防ぐためにも、ある程度の生活費を送る必要があると考えられます。

これらの状況から、地方において高校を卒業した子どもの進路としてお金がかかる順に並べると、

(1)四年制大学進学(女子)
(2)四年制大学進学(男子)
(3)短期大学進学(男子・女子)
(4)就職

となります。

都市部では、自宅から大学に通える可能性が高いため、(1)(2)(3)の負担の差はさほど大きくなりません。一方、地方における女子の四年制大学進学においては、親の教育観だけではない金銭面な問題が絡んでいるのです。

実際、身近に通える四大が少ない長野県に住む筆者は、地元の先輩諸氏から「大学に行かせるなら、子ども1人1000万円が必要だ」と言われています。家賃や住宅ローンなどの住居費や私立中高進学の費用など、都会よりも負担が少ない部分に目をつむりつつも、「家から大学に通える都会がうらやましい」と言いたくなってしまいます。

短大を含めた「男女の進学状況の差」

では、本題となる「男女の進学状況の差」を見てみましょう。冒頭で紹介した記事においても、

各都道府県教育委員会にアンケートをしたところ、女子のほうが短大に進学する割合が高いことや、「地元志向」が強いこと、浪人するのは男子が多いことを指摘する声が多かった。

と書かれているように、短大を含めると様相が変わってきます。

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