「30代母親の教育熱」が無駄に高すぎる理由

「親の見栄で教育」は子どもを幸せにするのか

周りの評価を気にしすぎた教育投資をする30代の母親が後を絶たない。結局、親も子どもも幸せにしない危険性がある(写真:よっしー/PIXTA)

「わが子の教育には、できる限り投資したい」。親であれば誰もがそう思うものです。幼いうちからさまざまな経験をさせることで、子どもの可能性を引き出したいと願う母親。こう聞いて、皆さんはどういう印象を持つでしょうか。

私は30代のワーキングマザーの家計専門FP(ファイナンシャルプランナー)として、家計の見直しや着実な貯蓄のためのライフプラン作成などを支援しています。私自身が30代のため、ご相談にいらっしゃる方もおおむね30~40代で、まだ子どもが小学生のご家庭がほとんどです。相談内容の中で、圧倒的に多いのが教育費に関してです。少子化時代といいながら、有名なお受験塾の需要は減るどころか、ますます繁盛しているところも少なくありません。ある程度教育熱心な親が集まるエリアであれば、親同士でお受験の話題が出ないことはありません。

「見栄による教育」は本当に子どものためになるのか?

先日、相談に来られたのは、教育費以外のお金が貯まらないという30代後半のAさんでした。 偶然でしょうが、その直後に同じような相談にBさんが来ました。Bさんは50代。夫と離婚し、老後の費用がまったく用意できていませんでした。また、定年までに返しきれない借り入れがあるとのことで、とても焦った様子でした。

2人のワーキングマザーに共通するのは、自他ともに認める「よい母」ということです。ですが、そのよい母親像が、「無知」と「見栄」によるものだったとしたら、はたして、その投資は子どものためになるでしょうか。2人の年齢差は20歳。Aさんはこれから教育費がかかる家庭で、Bさんはすでに教育費を使ってきた家庭です。教育前、教育後のそれぞれ2つの事例を両方見ることで、教育費と老後費用について考えてみます。まずは、30代のAさんの事例から見ていきましょう。

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