「30代母親の教育熱」が無駄に高すぎる理由 「親の見栄で教育」は子どもを幸せにするのか
「教育に最大の投資をする」のがよい母であり、「老後のために子どもの教育費を極力抑える」のは親としての愛情不足、と思っている人がいかに多いか、ということです。相談に来られる方の悩みは、子どもの教育費のことばかりで、ご自身の老後や住宅費用、親の介護のことは考えていない人がたくさんいるのです。
そこで、「親が教育費のすべてを用意する必要はない」と伝えると、驚く人がたくさんいます。それぐらい、多くの人は大学までの費用は親が出すべきもので、大学まで行かせられないのなら、子どもは生むべきではないという固定観念に縛られているのです。
では、親が子どもの教育費に生活を圧迫されないために、できることとはどんなことでしょうか。少なくとも以下の3つが挙げられます。
もし祖父母に経済的余裕があって、孫のために使いたいという気持ちがあるようでしたら、思い切って甘えてもいいのではないでしょうか。日本人の金融資産の大半は、リタイア世代が所有していると言われています。この世代は右肩上がりの経済の中で、着実に貯めてきた方たちです。国もこの世代から下の世代にお金をスムーズに引き継がせるために、「教育資金贈与制度」を設けています。この制度は、祖父母から教育資金を非課税で、しかも一括で受け取ることができるものです。一括贈与でなくても、習い事や塾の費用を負担してもらうケースもあります
最近は、地域によりますが私立中学だけなく、公立にも中高一貫校が設けられています。東京の場合、都立一貫校は上位校の場合がほとんどです。試験は簡単ではありませんが、こうした公立の中高一貫校を選択すれば、費用は抑えられます
今回、例に挙げた2つの家庭の場合、なぜか奨学金を受けていませんでした。しかし、教育費が家計を圧迫するようでしたら、まず検討すべきでしょう
ほかにも、高校授業料無償化など、教育費を抑えられるものはこれだけではありません。しかし、自ら申請しないと受けられないものもありますので、まずはしっかり自分で調べることをお勧めします。
何に重きを置いて支出していくかは、個々の家族にゆだねられます。ただ、皆、横一列に同じような選択をするのではなく、それぞれに適した教育やそれにかかる費用に関する選択肢をひと通り調べて、各自があらゆる面でベターな選択を行う必要があると思います。
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