中国メディアも熱狂した「本気のソニー」 巻き返しを図るソニーに勝算はあるのか

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ニッポンブランド復権のために

ソニーは、ウォークマンやAIBO以降、カテゴリー創造のイノベーションが停滞しているように思っていましたが、このイベントを取材して、やはり豊富なリソースを持っている企業だと再認識しました。

たとえば、会場でも人気を呼んでいたレンズスタイルカメラは、他社にはない新しい発想の商品です。実際に触ってみると、製品自体の重みがあるためスマホに装着すると重量バランスが悪くなってしまうのですが、スマホと分離して、スマホをモニターとして使いながら片手で持つと自在な撮り方ができます。

また、カメラ機能が組み込まれているとはいえ、レンズ単体を持って撮影するという使用感は誰にとっても未体験ゾーンですから、ユーザーが工夫して何か新しい使い方を生み出しそうな雰囲気を持っています。

しかし、一方で、先進技術と優良コンテンツを統合したパーソナルエンターテインメントを提供する企業であることが中国の消費者に知られていない、実感されていないのも事実です。それが、アップルやサムスンとのブランドイメージの差になって表れています。これはソニーに限った話ではなく、ニッポンブランド全般が、事業の実態や製品・サービスの価値が十分に伝わっていないことから、事実とイメージの間に大きなギャップができてしまっています。

特にB2Cビジネスでは、まさにソニーが提唱しているような「デジタル、リアルを統合したオムニチャネルでブランド価値を共有する」戦略を、マーケティングや売りの現場、CRMでも実践して、ブランドのファン層を拡大していくことがカギになると思います。

岡崎 茂生 フロンテッジ ソリューション本部副本部長

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おかざき しげお / Shigeo Okazaki

1981年東京大学教育学部卒業、1989年ピッツバーグ大学経営大学院MBA。1982年電通入社、2006年より北京駐在。北京電通 ブランド・クリエーション・センター本部長を経て、現職。30年におよぶ広告・マーケティング領域での経験をベースに、中国企業をはじめタイ、アメリカ、韓国、日本企業などを対象に幅広くブランド戦略コンサルティングを行なう。アジア各国およびアメリカの大学/大学院でのブランド講座・公開セミナー、フォーラムでのスピーチ、雑誌連載など多数。チュラロンコン大学商学部マーケティング学科客員准教授、南京大学ジャーナリズム&コミュニケーション学院客員教授、湖南大学ジャーナリズム・コミュニケーション&映像芸術学院客員教授。

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