7700系の前身である7000系が登場したのは1962年。東急電鉄の子会社だった東急車輛製造(現・総合車両製作所)がアメリカの車両メーカー、バッド社との技術提携によって製造した。
東急車両は軽くてさびないステンレス素材に着目し、当時すでに自社開発で外板だけステンレスを使った車両を製造していたが、骨組みなどを含め車体全体をステンレスで造る技術はまだなかった。
そこで同社は「技術的にバッド社のオールステンレスカーが世界最高のものであり、国内技術の及ぶところではないこと」(「東急車輌30年のあゆみ」)として提携に踏み切り、製造技法を習得。当時のアメリカの電車をモデルとして設計・製造したのが7000系だ。
25年を経て「新車並み」に改造
7000系は登場後、東横線の急行や地下鉄日比谷線直通列車などを中心に幅広く活躍。田園都市線や大井町線、目蒲線(現在の目黒線・東急多摩川線)でも使われたが、1980年代に入ると冷房のない車内など古さが目立つようになり、1987年から冷房化と大規模な改造を実施。制御装置や内装を当時最新鋭の車両に合わせて一新し、7700系に生まれ変わった。
すでに製造から25年が経過していた車両を新車同様に改造できたのは、車体がさびないステンレス製で傷みなどが特になかったためだ。現場から見ると「車体は50年前だが、下回り(モーターなど車体以外)は30年前の電車」の感覚だという。
東急7700系
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日差しを浴びてギラリと輝く側面の「コルゲート」
(記者撮影)
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直線を基調としたデザインのステンレス車体
(記者撮影)
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中間車両「7801」号車の車体は1964年製だ
(記者撮影)
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7801号車の車内にあるプレート
(記者撮影)
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先頭の2両は1966(昭和41)年製だ
(記者撮影)
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パンタグラフはひし形。3両中2両に搭載している
(記者撮影)
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窓上の2つのライトは「急行灯」。今は使っていない
(記者撮影)
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正面は真っ平らではなくやや折れ目がついた形状だ
(記者撮影)
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窓下にあるヘッドライト。車両によって形がやや違った
(記者撮影)
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かつて「急行」などのプレートを取り付けていた金具
(記者撮影)
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かつて「急行」などのプレートを取り付けていた金具
(記者撮影)
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台車は約30年前の改造時に取り替えた
(記者撮影)
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制御機器類も約30年前の改造時に一新している
(記者撮影)
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明るい印象の車内
(記者撮影)
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ドア間のシートは10人がけ。3・4・3で分割されている
(記者撮影)
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窓は東急線で唯一となった2段式だ
(記者撮影)
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窓のカーテンを下げた状態
(記者撮影)
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天井の扇風機は登場時から変わっていない
(記者撮影)
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天井は最近の車両と比べてやや低い
(記者撮影)
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車端部を見ると円弧を描く天井の形状がわかる
(記者撮影)
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車両間の貫通路は扉がなく、今の車両より幅も広めだ
(記者撮影)
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運転台は約30年前の改造時に一新された
(記者撮影)
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ワンハンドルマスコンの運転台
(記者撮影)
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運転席の左上にある扇風機
(記者撮影)
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「後輩」の1000系と並ぶ7700系
(記者撮影)
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