開発関係者によると、それには理由があるという。基本的にはコースティングのほうが効率はよいとのことを大前提として、ワンペダルはEVらしいが違和感もあり、普及させたいPHEVをそうすべきではないし、思ったよりも手前で止まってしまうと、もう一度アクセルを踏むことになる。であれば回生を取り切るためにはこうしたほうがよいと判断。また、たとえばそれは高速道路の下り坂のような状況で、どんどん加速していくところを適切にコントロールできるほうがいい。そこであえてこのように設定したとのことで、納得した次第である。
また、実は北米向けのクラリティPHEVには急速充電に対応していないのだが、日本仕様は営業サイドの要望により設定したのだという。PHEVに急速充電が必要かどうかという議論もあるわけだが、まあ、あればあったでせっかくなので使いたくなるのが心情ということで、急速充電を試してみた。
なお、充電中にドライバーや乗員が車内にとどまる状況を想定して、急速充電中にパワーモードをオンにすると、エアコンやオーディオ、シートヒーター等が使用できる「コンフォートチャージ」機能を搭載っする。同様の機能は三菱やトヨタも採用しているが、おかげで充電中も車内で快適に過ごすことができる。とくに夏場や冬場には重宝する。ただし、長時間にわたってその場にとどまることのないよう、同機能が使用できるのは急速充電中に限られ、充電終了時に自動的に停止するようになっている。
電動車として現段階では到達点に達したといえる
もちろん車内で近場の充電スポットを検索できるし、その混雑状況も表示できる。ちなみにホンダでは、NCSネットワークの充電器約2万0800基が利用できる独自の充電カードサービス「Honda Charging Service」を行っている。
急速充電用の充電口は右後ろにあり、場所によってはクルマの止め方や、あの太くて重いコードを取りまわすのに苦労するのは、このクルマに限った話ではないにせよ否めない。
電動の要素を取り入れたクルマのもてはやされる日本において、クラリティPHEVは現時点における1つの到達点を見せてくれたように思う。588万0600円に設定されている車両価格がもう少しリーズナブルだといいのに、と感じる人もいるだろうが、それだけ中身が充実していて完成度も高いと思ってもらっていいだろう。
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