酒に溺れる人が自覚するヤバすぎる思考回路 毎年300万人以上が過度な飲酒で死んでいる
小田嶋さんは「アルコール依存症から抜け出せた」稀有な人である。そこで小田嶋さんが言っていた一言が印象深い。それは「肝臓エリート」という言葉だ。小田嶋さんと私はエリートではなく、一方でいくらでも飲んでも体を壊さない、まんしゅうさんがそれに該当するという。
恐ろしすぎるデメリット
同じようなことは、人間ドックでも指摘された。私は毎年8月に人間ドックに行くが、今年の結果をフィードバックしてくれた女医は、「あなたは肝臓の数値は悪いけど、去年よりは良くなっているわね。あとね、肝臓の数値が悪いということは、本当は飲めない体質の人が無理して飲んでいるのよ」と語った。「それは、つまり『肝臓エリート』か、そうでないかの違いですか?」と聞いたところ、「そんな言葉があるかどうかわからないけど、意味としてはそのようなもの。あなたは肝臓エリートではないの」と彼女から返された。
2018年の人間ドックの結果は前年よりも圧倒的に良かったし、今は節制を心がけている。それは、2017年、2018年に私を診てくれた担当医との相性が良かったからだと思う。2017年に出会った山田医師(仮名)は私をひたすら脅した。
こんなやり取りはあったものの、「繊維ができる」「肝臓移植」「アルコール依存症病棟を紹介する」の3つのキーワードは相当なパンチ力があり、私のこの1年間の暴飲を抑える効果はあった。そして、今年の女医の診断結果に至る。
「去年よりも改善しているけど、やっぱりいいとは言えないわよ。ただ、お酒を飲む人って、肝臓が悪くなるか、尿酸値が悪くなるかのどっちなの。あなたは肝臓は悪いけど、尿酸値はまったく問題ないでしょ? 腎臓もまったく問題ない。お酒を飲まない人でも尿酸値とか腎臓は悪くなるし、あなたが言うところの肝臓エリートも尿酸値と腎臓は悪くなるの。
まぁ、お酒を飲む人に『やめなさい』なんて言っても無理だってことは私にもわかっている。あなたがやめるのも無理だってわかっている。ただ、量は減らしたほうがいいわよ」
昨年脅かされた山田医師とはまったく異なるこのアプローチに、私は「はい」と首を垂れるしかなかった。同時に、酒の量を減らすことが良好な結果につながることはこの1年でよくわかっただけに、前年、脅してくれた山田医師にも心から感謝をしている。
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