共和党「まさかの上下院完全勝利」はあるのか 一部の市場参加者は「トランプラリー」を予想

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ロシア人の元外交官の謝罪は負け惜しみの皮肉だったにせよ、このように分断の芽は確かに東西冷戦が終了した後のビル・クリントン政権が誕生した1993年ごろに遡る。

クリントン大統領の掲げた政策は、左に傾き過ぎた民主党の政策を中道に戻し、人権よりも経済成長を重視することだった。確かに一定の効果はあった。

ただしクリントン氏が勝利したのは、彼がアメリカ国民に広く受け入れられたからではなく、共和党の票が、当時の現職大統領だったジョージH・W・ブッシュ氏とビジネスマンのロス・ペロー氏に分散してしまったからだ。クリントン大統領は代議員数では圧勝した。だが全体の得票率では僅か43%だった。これは2000年と2016年、それぞれアル・ゴア氏とヒラリー・クリントン氏に得票率で負けて当選したG・W・ブッシュ、トランプの2人の大統領を大きく下回っている(それぞれ49%と48%)。

国民からの獲得票が史上最低の43%だったクリントン氏が大統領になったことに怒り狂ったのが共和党支持者たちだ。その怒りで1994年の中間選挙では、共和党は下院で圧勝した。下院を率いたニュート・ギングリッチ氏は、ホワイトウオーター事件をあぶりだし、それをモニカ・ルインスキー事件まで発展させてクリントン氏を弾劾へ追い詰めていった。

分裂するアメリカに付け入る中国

今、民主党とリベラル勢力は、このときと全く同じ攻撃をトランプ大統領に対して仕掛けている。そして、筆者に言わせれば、この分断を利用してアメリカ政治に付け入ろうとしているのが中国なのだ。本来、リベラル思想と中国の一党独裁体制とは相反するはずだ。しかし、州別ではアメリカ最大のGDPを誇るカリフォルニア州で、二者は共通のプラットフォームを持っている。その象徴が今回、改選をむかえた民主党上院議員のダイアン・ファインスタイン氏だ。

御年85歳のユダヤ系アメリカ人のファインスタイン議員。彼女はヒラリー・クリントン氏とともに、1990年代以降のアメリカ政治での女性躍進の象徴だった。たが上院議員として史上最多の得票率を誇った彼女も、今回民主党の公認をもらえなかった。常識的には高齢であることや、20年来の秘書が中国のスパイだったと認定されたことがその理由に考えられる。

普通なら、こんな状態で選挙に勝てるはずがない。ところが、今も彼女は民主党の若いヒスパニック系の公認候補者に圧勝する勢いなのだ(共和党は候補者を立てていない)。では、一体だれが彼女を支持しているのだろうか。

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